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□春雪end
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ここは箱根学園


私たち3年生の、卒業式が真近に迫っていたある日。


放課後に私は東堂くんから中庭にくるよう言われていて…


「来たか、ハセガワさん!」


「どうしたの?こんな所に呼び出して。」


夕日が真っ赤に照らされる綺麗な花壇を見ながら、東堂くんは私がくるのを待っていた。


「俺たち3年ももうスグここを卒業するな。」


「うん、そうだね…。」


急に改まって何だろう…?


「今までのレース、全て応援に来てくれていただろう?」


「……っな!!」


……なんで知ってるのっっ!??


「なぜ知っているのかといった顔だな。俺は常に見ている。」


ドキッ


「えっ…!?」


「女子の応援は全てな!!」


ガックリ。


一瞬、期待しちゃったじゃん。。


何よ何よ、東堂くんったら女子に目がないだけじゃない…!



「ただ一つ…うぬぼれたことを言うとだなァ」


「うん、何?」


内心、また何か私がショックを受けることを言うのではないかと…


早く話しが終わればいいなんて今さっきまで思っていたんだけど…


「大事な話しだ。お前を幸せにできるのは、この俺にしか出来ないと自負している。」


「…そっか。」


…………え?


えっ、待って今めっちゃ適当に聞いてた!


けどチョット待って、サラッと凄いこと言われたような…


「だから付いて来てほしい。山の頂上の…俺の側まで。」


サラッと長い彼の前髪が揺れた。


目線は揺るぎなく、私の瞳を見つめていて…


「あの、東堂くん…質問ー…」


「うむ、何だ?」


「それはつまり、どういう事でしょう?」


「一緒に居てくれという意味だ!」


「……学校もクラスも一緒でしょ?」


「…っ!!違う、分かっておらんのか!この意味が…!!」


わざと分からないフリをしたら、結構な勢いで怒られた。


やっぱり…私がする解釈で合ってるの?


都合のいい解釈になっちゃう…いいの?私なんかが…


色んなモヤモヤとか、自信の無さが


私の気持ちとは裏腹に邪魔をしてくる。


「だって私、こんなだし……」


東堂くんは格好良い。


私よりも可愛い女子なんて沢山いるから、どうせ私なんて…


東堂くんに釣り合わない。。


マイナス思考が私を奈落の沼へとつき落とす…


すると、先程よりも大きな声で東堂くんが言った。


「うるさい、一緒に居ろ!ずっとだ!!」


ビシッと私に指をさしてそう言った彼は、私を見てニヤリと笑うのだった。

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