長編
□運命の人
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碧ちゃんと話をして気の済むまで泣いた後、携帯のメモリーから彼女のデーターを消した。
残しておくとまた気持ちが揺らいで、彼女を困らせてしまう様な気がしたので思い切って消すことにした。
これで本当にもう俺と彼女を繋ぐものはなくなった。
まだ彼女と出逢ってから２ヶ月くらいしか経っていないのにこんなにつらいなんて……
自分にとってどれほど彼女の存在が大きかったのか、改めてそのことを感じた。
俺は心にあいた大きな穴を埋めるため、そして待っている多くのファンのためにこれからのEXILEがさらに飛躍するよう全力を注ぐことにした。
パフォーマーとして新加入することになったAKIRAの存在に加えて、俊ちゃんの代わりとなる新しいボーカルを一般公募で募集することをメンバー全員で話し合い決めた。
これで俺にもしものことがあってもEXILEは無くなることなく続いていく……
もちろん手術が成功するのがいちばんだけれども、たとえ歌えなくなったとしても俺は音楽をやめない。
自分が作った曲を、俺の思いをEXILEを通してたくさんの人たちに伝えてもらえばいい。
そう思えるようになって、少しだけ心が楽になった。