世界一初恋 短編
□おすそ分け
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・・・ぷるぷる・・・
俺は今高野さんの家の前にいる。
実家からたくさんの林檎が送られてきたのでおすそ分けに来たのだ。
家にいるはずなのでインターホンを押して渡せば済む話なのだがなぜだか緊張して手が震えてしまい、なかなかボタンが押せない。
「あれ?お前人の家の前で何やってんの?」
「うわあああ!!た、高野さん!!なんでここに!」
「は?ただコンビニ行ってたんだけど・・・、お前は何してんの?その手に持ってるの何?」
家の中にいるとばかり思っていた高野が突然自分の後から現れ驚きを隠せない。
「あ、これ、実家から林檎、たくさん送られてきたんで・・・おすそ分けに・・・///それでは失礼しますっ」
照れながら林檎の入った袋を高野に差し出した。
そしてそのまま家に帰ろうとしたところで高野に腕を捕まれ止められる。
「待てよ、持って来てくれてありがとな、ついでだからうちで茶でも飲んで行け、うまいコーヒー淹れてやる」
「///っ・・・し、仕方ないですね、・・・なら少しだけ、お邪魔させていただきます」
言葉とは裏腹に律の顔は嬉しそうな顔をしている。
それを見た高野はクスクスと笑い出した。
「お前、顔真っ赤ww」
「う、うるさいです///」