世界一初恋 短編

□花摘み
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「あ、木佐さん見てください!クローバーが凄いですよっ」
「んー?あ、ホントだ久し振りに見たな」

木佐と雪名が歩いている道脇には一面たくさんのクローバーが咲いていた。
別に珍しいものでもなく案外どこにでも咲いているが特に気に止めて見ていなかったためこんなにたくさん咲いているとは思わなかった。

「懐かしいですねー、小さい頃女の子達がこの花をいっぱい摘んで遊んでるのよく見かけました」
「あぁよくやってたなー、今はあんま見ないけど、俺も子供の時に花冠とか作って遊んだよ、あ、子供の時なっ五才とかそんくらいの時に///」

・・・・五才の木佐さんが一生懸命花冠をっ!
・・・かわいいですっ・・・・・/////

「あれ?木佐さん?何やってるんですか?」
いつの間にか木佐がしゃがみこんで花で何か作っている。
「ちょっと久々に作ってみようかと思ってな」

そう言って木佐が器用に花をどんどん繋げていく。
雪名はそんな木佐の指をじっと見つめた。

木佐さんの指綺麗だなー。
細くて、小さくて・・・
あ、そうだっ!

何かを思い付いたのか雪名も木佐の隣で同じように何か作り始める。

「よしっできた!」
「俺も出来ましたー」
「ん?お前は何作ってたんだ?」
「これです!」

そう言って雪名が差し出して来たのは花が1つだけついた小さな指輪だった。

「木佐さん手出してくださいっ」

雪名は木佐の手を取り左手の薬指にはめた。
はめた瞬間木佐の顔がみるみる真っ赤になっていく。

「っ!!おま、これっ!」
「いつか絶対本物の指輪買って木佐さんに渡しますから!だからこれはそれの代わりに」

雪名は木佐の手を握り拳にキスを落としニッコリといつものキラキラスマイルで木佐に笑いかけた。

「大好きです木佐さんっずっと俺の傍にいてください!」
「なっ!///////ぁ!!///」

雪名の笑顔と言葉にやられ顔を真っ赤にし言葉もうまく出てこなくなっている。

「うぅっ/////」ボスン!!
「わっ!・・・・・・・花冠?」

木佐は照れた勢いで自分の手に持っていた花冠を雪名の頭に乱暴に乗せた。

「・・・・お前、よくそんな、はずかしい・・・事を・・・////」
「だって言っておきたかったんですっふふ、木佐さんは誰にも渡しませんっ」
「////っぅぅ!雪名、手出せ・・・・」
「?はい」

言われた通り手を出すと今度は木佐が雪名の薬指に花の指輪をはめた。

「っ!!!木佐さん!!」
「・・・俺だって、お前の事す、好きだし、もうお前意外好きになれないし、ずっとお前と、一緒にいたいって思ってるから・・・・・だ、だから////」
「木佐さん!!!!/////」

言い終わるより先に満面の笑みで雪名が木佐に抱きついていた。

「木佐さんっ木佐さんっ嬉しいです!これからもずっと、ずっと一緒にいましょうね!」
「・・・・・・あぁ////」

木佐は力の入らない手で雪名の背中にそっと手を回した。

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