世界一初恋 短編

□父の日
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(雪名家)

木佐:「翔輝ー?」
翔輝:「おかあさん!」

木佐と翔輝はデパートに買い物に来ていた。
今日は父の日、雪名へのプレゼントを買いに来たのだ。

服、アクセサリー、食べ物・・・何をあげればいいのかわからない。
というかあいつは何をあげても喜ぶ気がする・・・でも折角だし何か残るものとか・・・

くいくいっ
木佐:「?どうした翔輝」
翔輝:「おかあさん!あれっ」
木佐:「ん?・・・っ!これいいなっ」
翔輝:「うん!!」

ガチャ
雪名:「ただいま帰りましたー」

シーン

いつもなら玄関まで来てくれるのに今日は2人とも来ない・・・
靴もあるし、いないわけではないようだが。

雪名:「翔太さん?翔輝?」

雪名が玄関から上がり、部屋に入ろうと扉を開けた瞬間・・・。

木佐:「せーの!!」

パンッパンッ!!

雪名:「うわっ!」
母と息子「皇・お父さん!おかえり(なさい)!」

ポカン・・・

部屋に入ると二人が雪名に向けてクラッカーを鳴らし、いつもより盛大なお出迎えをされた。

木佐:「ハハッ驚いたかー?翔輝大成功ー!」
翔輝:「わーい!!」
雪名:「えっと・・・これは・・・一体」
木佐:「ん?今日は父の日だろ?だから翔輝とデパート行っていろいろ買ってきたんだ〜」

よく見れば部屋も綺麗に飾りつけされている。

翔輝:「おとうさん!はいっプレゼント!!おかあさんとね作ったの!」
雪名:「これは・・・メッセージカード?」

翔輝が雪名に渡したのは普通のより少し大きめのメッセージカード。
中を開けてみると『おとうさん、いつもありがとう』と書かれた翔輝の文字と上には三人で撮った写真が貼ってあった。

木佐:「なにあげようか迷ったんだけど、お前ならなんでも喜びそうだったし。どうせなら思い出に残るものがいいかなって、
    翔輝が見つけたんだぞー、飾りつけも頑張ってくれて・・・・・皇?」
翔輝:「おとうさん?」

先ほどから黙ったままの雪名を二人が見上げると雪名は涙を流しながら二人を抱きしめた。

木佐:「ちょっ!皇!」
翔輝:「わああっ」

ぎゅうううううううう

雪名:「ありがとうっ、すっごくうれしいですっ一生大事にしますっ」
母と息子「っ!!」ニコッ

木佐と翔輝は顔を見合わせニッコリと笑った。

その後三人で夕飯を食べ、翔輝が眠った後の寝室。

雪名:「翔太さん、今日は本当にありがとうございました」
木佐:「喜んでくれてよかったよ。翔輝もすごく喜んでたしな」
雪名:「翔太さん」
木佐:「ん?」
雪名:「俺・・・幸せですっ」
木佐:「クス・・・大げさだな、これからも毎年祝うからな、誕生日も、クリスマスも三人で」
雪名:「はいっ!!」
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