世界一初恋 短編
□父の日
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(高野家)
りお:「ママ!みてみて!」
律:「わあ、りお上手だねー、パパきっと喜ぶよー」
りお:「ほんと!わーい!」
ガチャ
高野:「ただいまー」
パタパタパタッ!!
りお:「パパー!!おかえりなさいっ!」
高野:「りお?」
帰って来てそうそう愛娘が走って来て自分に飛びついてきた。
突然の事に驚いたが飛びついてきた愛娘を抱き上げる。
律:「おかえりなさい、政宗さん」
高野:「ただいま、律。りおどうしたんだ?」
クスクス
律:「政宗さん、今日何の日ですか?」
高野:「今日?」
何かの記念日だっただろうか・・・
りお:「パパ!見て!」
高野:「ん?」
りおが笑顔で見せてきたのは一枚の大きな画用紙に書かれた高野の似顔絵。
律:「政宗さん、まだ思い出しませんか?
今日は父の日ですよ?」
高野:「・・・父の日」
そういえば、外でもいろいろ宣伝してたな・・・。
子供の頃、父の日なんて祝った事は一度もないし、あの人は家にもいなかったからそんな行事、気にも留めていなかった。
けれど・・・
りお:「パパ!」
律:「政宗さん!」
高野:「?」
母と娘「いつも、ありがとう(ございます)!」
高野:「・・・っ!!!」
・・・・・・家族って、いいもんだな。
高野:「ありがとうな、律、りお」
律:「りお、パパ喜んでくれてよかったね」
りお:「うん!!パパ!ごはん食べよう!」
高野:「あぁ、そうだな」
パタパタ
りおが嬉しそうにリビングに駆け出す。
律:「りお、走ったら危ないよ」
高野:「なぁ、律」
律:「なんですか?」
高野:「俺と結婚してくれて、りおを産んでくれてありがとう。
家族をくれて・・・ありがとう」
高野の言葉に律は驚き、高野の顔を見る。
高野の目には若干だが涙が溜まっているのが見えた。
律:「政宗さん・・・俺も、ありがとうございます」
りお:「パパー!ママー!はやくー!」
クスクス
律:「りおが呼んでますからいきましょう」
高野:「そうだな」