GLAY夢

□いっそ、ころして
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お前、もう止めたら?

アイツじゃなくたって良いじゃん




「はぁ」



鳴らない知らせを待ってたって
今頃アイツは他の女と一緒だろうが


カランとグラスの氷が崩れた
綺麗な指先で滴る水滴をなぞる行為が、余計に憂いを語る



寂しい夜は、必ず訪ねてくるんだ
お前は何も言わないけどさ

気づいてないと思ってるの



「ヒサシのこと、好きになってたら良かったなぁ」



ヘラヘラ笑って、酔いに任せてとんでもなく残酷な言葉を吐くんだな



「抱いてやろうか?」



俺もそれなりに返すけど



「何言ってるのよ」



わざとらしく笑って
酔ってるのって肩を弱々しく叩かれて


呆れる、本当に呆れる


少しでもお前の言葉に期待してる自分に

もしかしたら、甘い言葉を囁けば傾くかもと思っている自分に



「つらいの」



弱々しい声が聞こえて
見遣ると、目にいっぱい涙をためて困った様に苦笑するお前がいた



「でも離れられないの」



腕を引いて、細過ぎる体躯を抱きしめた瞬間から
色々なものが崩れる音と

小さく呟いたお前の言葉とが聞こえて笑いそうになった


まるで俺の気持ちさえ代弁するような台詞だね








いっそ、ころして









気持ちが手に入らないのなら、いっその事、






end.


アイツってのは、なんとなくテルさん想像して書きました(笑

120923

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