侍の王子様

□第七章 遠征前夜
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部屋に静かに二人、正座で向き合う。
静宮「…」
上崎「…」
静宮「…子子太、何か言う事は?」
上崎「ごめん」
静宮「『ごめん』で怪我は治らないんだよ。しかも小さな傷ならともかく、しばらく激しい戦いはしちゃいけない程だって?僕と大石先輩に嘘までついて。どういうつもり?」
上崎「ごめんて」
静宮「謝る姿勢が見られないよ」
上崎「じゃあ何すりゃ良いの?」
静宮「早く治す事。あとその為に明日からの遠征、子子太は居残りね」
上崎「…えええっ?!」
静宮「当然。異論を言える立場でも無いよね?」
上崎「うー」
静宮「そうと決まれば寝た寝た」

上崎「暇…」
食事を取りに行くのも、部内の人と話に行くのも禁止。
風邪と違って身体が疲れている訳では無いので、眠気も無い。
上崎「…無言で抜け出そうかな」
布団から這い出て、襖に手を掛ける。
とその時
??「うわっ?!」
上崎「え?」
襖の先に人がいた。
リョーマ「急に襖が開いたのかと思った…って先輩、寝てないと駄目なんじゃないの?」
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