黄と赤の瞳

□第8章
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玄武との戦いが終わり、あたし達は上の階へと足を進めていた


飛影「…蔵馬を欠いた俺達3人に対して 残り3匹か…」


飛影の言葉が矛盾していた
…この場に居るのは、飛影とあたしと桑原と幽助と蔵馬


小雪『?何言ってるの飛影、4人だよ?』


素直に間違えた所を指摘したら、彼は大きな溜息を吐いた


飛影「…はぁ…お前は数に入れてない。」

小雪『え?何で?!』


意味不明な返答を返す飛影に聞き返すが、飛影より先に隣に居る幽助が大きな声を出して答えた


幽助「阿呆か!!その傷でどーやって戦うんだよ!」

小雪『…でも…
幽助「でももへったくれもあるか!!!良いから休んどけ!」


正真正銘怒っている様で、ちょっと気迫負けする


蔵馬「そうですよ、今回は大人しくしててください」


そう言って微笑む蔵馬の顔が黒く見えたのは、気のせいであると思いたい


桑原「なーに 次の相手は俺に任せとけ
幽助「蔵馬が勝つまでビビリまくってたクセによ」うるせ、いきなりで驚いただけだ!!」


結構息がピッタリな2人に、思わず笑みが溢れた
みんなが口ぐちに言ってきたので(決っして、蔵馬のあの顔が怖かったからではない)今回はその言葉に甘えさせて貰うことにした


桑原「俺だってオメーが師範のとこで修行してる間、何もしてなかった訳じゃねぇ
いろいろ試している内に、自分自身の手だけでも霊気の剣を出せるようになったんだ」

桑原はほらよ、と言いながらその場で霊剣を出した


小雪『わぁ…本当に霊剣だ。』


幻海さんにちらっと聞いていたが、実際に見るのは初めて
思わずじっっと見て感心していると、横から飛影が


飛影「ほぅ…只の木偶のぼうじゃなかった訳だ」

と、桑原を馬鹿にした…案の定 桑原が怒り出し飛影の胸倉を掴む
最早定番になっているような気がしてならない


桑原「死ぬかコラ?!」

小雪『(…さっきは逆バージョンだったな…)…喧嘩しないでよ!
て言うか、飛影も一々刺激するのやめよーよ』


飛影は明後日の方を見ていたが 桑原が渋々飛影を放してくれた


桑原「…ちっ…まぁいいや、だがこれからがおれの研究の成果だ
…いいか見てろよ……剣よ伸びろ!!」


桑原がそう言うと同時に、霊剣が伸びていった
どうやら自分の意志で伸縮自在に出来る様になったらしい
自分ひとりでここまで成長するとは……大したものである


桑原「次の相手は俺に任せてもらおう!!」


そんな桑原を逞しいと思った…のも束の間…


桑原「うっ…今の霊気の放出でかなり疲労が…
幽助「じゃ やんな!!戦う前に!!」


桑原がどう言おうと桑原であることに何ら変わりはなかった
少し呆れていると 突如部屋全体に


――ヴオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!


と、物凄い叫び声が響いた


桑原「な、何だ今のスゲー叫び声は!!この世のものとは思えねぇ!!」

小雪『桑原…此処一応魔界だからね?』

蔵馬「…白虎の雄叫びだ……彼はどうやら、相当ご機嫌斜めの様だ」


あたし達は目の前の道を 急いで進んだ




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