黄色のサッカーlove

□◇第8章◇
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二回戦直前、柔軟体操をしていた時


『…何、あれ…』


沙由梨の目に映っている光景…それは物凄くしょうもない光景だった


「銀のくせに、金のオレに偉そうに言うな!」

「ならお前は、金造改め馬鹿造だ!!」

「なっなぬぅ!馬鹿だとっ!聞き捨てならんぞ!!」

「やるかあ?!!」

「おぉ!!」


実はプレデターの代表と椿森の代表がいがみ合っているのだ…少しして審判の笛が鳴りなんとか収まったが
本当に彼等は大人なのか
おじさんの皮を被った子供では?
プレデターのみんなも、呆れた顔でふたりを見ている


「子供の喧嘩以下やなー…」

「商売敵だからね…」

「噂じゃあ、小学生の時、初恋の相手を取り合ってからの腐れ縁らしいよ?」

『ははは……』


もはや乾いた苦笑いしか出てこない


「なったらあかん大人の見本やな」

「(どうしよう…胸がドキドキする…)」

『?玲華ちゃん…?どうし……』


近くで下を向いている玲華ちゃんにそう言うのとほぼ同時に、玲華ちゃんは何かに気が付いたかのように顔を上げ一点を見つめた
視線の先に居たのは虎太君
二人は一瞬だけ見つめ合い、直ぐに視線を逸らす

胸がキュッと締め付けられた
やっぱり今日のあたしはおかしいみたい
虎太君と玲華ちゃんが一緒に居ると言われただけでモヤモヤしたり、虎太君が近くに居て顔が熱くなったり…


『(ッハ!ダメダメ!今は試合に集中しなきゃ)』


思うところはたくさんあるが、いったん保留で椿森に勝つ事に集中する事に専念しよう
しばらくして、試合前の挨拶をする為に中央へ集まった



――よろしくおねがいします!!

相手と順番に握手を交わしていく
そんな中、一人メラメラと闘志を燃やしている須黒君が目に留まった


「?」

「今日こそお前達には…」

「!っ」


まずは虎太君の手を


「ぜってぇ!」

「っく……」


そして、竜持君の手を


「負けねぇ!!」

「なっなにいきがってんだよっ!」


最後に凰壮君の手をそれぞれ思いっきり握りながらそう言う須黒君…あの竜持君ですら若干顔を歪める程だった
一体握力いくら位なんだろう
気が済んだらしい須黒君の後ろ姿を見て凰壮君は手首を擦りながら


「ったく…ゴリラかあいつは、なぁ?」


と呟いていたが、ふたりはそれには答えず須黒君を見ていた
そして、コイントスの結果こちらの先行で椿森との試合が始まった――――― …





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