黄色のサッカーlove
□◇第5章◇
1ページ/6ページ
数日後に行われた地区予選抽選会で、一回戦は“桜川西チャレンジャーズ”と試合をする事が決まった
プレデターは、抽選が終わり会場から出て来たところだ
ふと前を見ると、背が低めの金髪な男の子と 背が高くて坊主頭の男の子が立っていた
『…翔くん……あの人達、誰?』
「背が高いほうが、アマリージョの景浦君
もうひとりは、川原国際ヘヴンリーの青砥君だよ」
沙由梨がそう聞くと、詳しく答えてくれる翔君
彼が説明している間に、景浦君が話し掛けてきた
「やあ、降矢君」
「景浦だっけ」
「何か用ですか」
彼の呼び掛けに、息ぴったりで返事を返す凰壮君と竜持君
流石三つ子のうちのふたりだ
「君達がプレデターに復帰したって聞いたから、激励に来たんだ」
どうやら彼は、三つ子の三人と戦いたいらしい
三人の強さを知っていて……ということは、彼もまた、相当強いのだろう
感心していると、今までずっと黙り込んでいた虎太君の声が聞こえた
「……お前もか」
沙由梨はその言葉づかいに、少し違和感を持った
『(?…あれ、虎太君…ピリピリしてる……?)』
なんとなくそう感じた
今彼が話し掛けたのは、青砥君だ
このふたりの間で、何かあったのだろうか
理由が分からず考えていると、三人はふたりにいろいろ言いながら(殆んどが挑発に聞こえたような……)、歩いて行ってしまった
代表はふたりに謝ってから説教をしに行ってしまう
すると、今度は隣に居た翔君が喋りだした
「景浦君!青砥君!僕達、必ず地区予選を突破して、都大会へ行くから…その時はよろしく!!」
しかし彼等は何も言わない
そしてみんなで、三つ子の三人と代表の後を追いかけた
追い付くと虎太君が近くの電柱を蹴っていた
『虎太君?(ホントに、どうしたんだろ)』
そう思って翔くんに聞いてみる
翔くん曰く、去年の大会が関係しているらしい
何でも、試合ではヘヴンリーに勝ったプレデターだったが、青砥君には個人の勝負で負けた、と虎太君は思っているらしい
彼は数回肩で息をした後、こっちを向いた
すると玲華ちゃんが翔くんの後ろへ隠れてしまう
『(…玲華ちゃん………)』
その後は帰りの電車の中で戦術の話をし、解散した
,