荒神狂想曲

□順応力
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「ソーマ、アリア!一緒にミッション行こうぜ!」
ソーマと朝早くから雑談をしていたら、いつの間にか六時を回っていた。
ラウンジもいっぱいいっぱいになってきたから場所を変えようかと席を立った時、背後からユウが突進してきた。
「な、行こう!親睦を深めるついででさ!」
「断る」
「何で!?」
「こいつはまだ訓練も終わってない。いきなり戦場に連れ出せるわけねえだろ」
「おお、ソーマが教官らしい...」
「黙れ」
任務はまだ行けないらしい。それもそうだな。基盤を固めてから出撃した方がいいだろう。
「というわけで、アリア」
「はっ、何でありましょうか教官殿」
「着替えてこい。それから訓練だ。エントランスで待ってる」
「了解いたしました」
先程までの気配を、これを機に全て振り払い、仕事の関係につく。いきなり仕事モードに入った私達に困惑するユウと、後から様子を見に来たリンドウまでもが困惑していた。
一応挨拶をしてソーマと共にラウンジを出た。
「では、後ほど」
「ああ」
エレベーターで別れ、自室に向かう。ある意味ここは軍部だが、迷彩服は目立つ。時には周りと合わせることも考えねばならない。
...自室は恥ずかしながらまだ整頓をしていなくて段ボールだらけだ。
その中の一つ、ラテン語で服と書かれた段ボールを開けた。
「無難にシャツとジーンズか」
手にしたのは赤のシャツ。中にはもう一枚黒いシャツが見えていて、これは二枚で一枚のシャツだ。ジーンズは柔軟性の高い生地でできていて、動き回るのに最適だ。ベルトは着けない。十分腰にフィットしているからな。最後に両足にホルスターを二つ付ける。中には小型ナイフ、回復アイテムやスタングレネードを仕舞う。
「こんなものだろう」
鏡はまだないので自身を見下ろしてボタンを調節。胸があればもっと栄えたんだが、生憎サラシだ。第三まで開けて一番下も二個開けた。気楽で丁度いい。

「お待たせしてしまい、申し訳ありません。アリア・ガルシア、只今参りました」
「ん?...んん!?」
エントランスに上がり、ソファでうつらうつらとしていたソーマの横に立つ。私の声と気配で顔を上げたソーマは、軍服を着ていないことに驚いた。
「ここでは軍服は目立ちますから」
「...だろうな。じゃあ行くか」
もう訓練の登録をしていたらしい。さっさとゲートに向かうソーマの一歩ほど後に続いて、神機格納庫で自分の神機を持つ。
「バスターにしたのか」
「一撃一撃が大事かと思いまして」
「...まあ、そうだな。バスターなら回避とガード速度も大事だ。お前なら今日の訓練でモノに出来るだろう」
「御期待に添えるよう、精進します」
「ああ、無理はするな」
何だか新隊員時代に戻った気分だ。あの頃はただ周りに合わせようと必死だった。周りがそうしているから自分もそうする。
だが今はそんな事をしてはダメだな。自分のペースで、自分のしたい事をしよう。
「アリア、暫く好きに動いてろ。そこから指示を出す」
「了解いたしました」
今回はソーマもいるからね。

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