絶望の淵で。

□第四衝突
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「相変わらず馬鹿でかいとこだね、氷帝は…。」


「お、なんだ、お前来たことあんのかよぃ?」


「ま、まあね」


どうもこんにちは。
私は現在、ブンちゃんと一緒に氷帝へ来ています。


何故ここに来たかというと、それはさっきの会話に戻ります…






✿ ✿ ✿







「え、4校で合宿?」


「ああ。毎年GWは、跡部の別荘で合宿をしているんだ。今年も立海はそれに参加するよ」


4校で合宿、しかも跡部の別荘。

(うわあ、跡部と再開するのか…)


そんなことを考えつつもへーと返事はする。


「それで名前に頼みがあるんだけど、今から氷帝にお使いへ行ってくれないかな?」


「ええっ。なんで私が?!」


「俺が行ってもいいんだけどね。でも部長だから無理だろう?お供にブン太も連れてっていいから。ほら、あいつ氷帝の芥川に気に入られてるでしょ?…って、名前は知らなかったね」


「え?あ、うん」


「まあとりあえず、そういうことだから。よろしく頼むよ」


はーい、と多少不満ながらもお仕事だから仕方ないと割り込み、ブンちゃんを呼んで二人で氷帝へ向かったのです。






✿ ✿ ✿







そして今に至る!


いや、でも私一人だったら確実に迷ってた。
ブンちゃんを寄越してくれた幸村に感謝だね。
あ、もちろん来てくれたブンちゃんにも感謝しておりますよ。



「よしっ、ここがテニスコートだ。うわー、久しぶりに来たから道間違ってねーかすげえ心配だったぜい」


「まあまあ、辿りつけたからよしとしようじゃないか」


二人で会話しつつもテニスコートに入ろうとした瞬間、何者かに抱きしめられた。


「うわっ…跡部!!!」


「よう、名前じゃねーか。なんでお前こんなとこにいんだよ。もしかしてあれか、やっぱり俺と離れるのが寂しくて戻ってきたんだろ。あぁん?」


その自意識過剰はどこからでてくるのでしょうか…。


「それはないから!とにかく離れてよ、もう!」


っていうか、ブンちゃんもぽかんとしてないで助けて欲しい。


「え、名前と跡部って知り合いだったのかよぃ…?」


「まあ、うん。幼稚園からの友達っていうのかな。中一のときは氷帝に通ってたんだ、私」


「そ、そうだったのか。全然知らなかったぜぃ」


「おい名前、その紹介は一つたりねーとこがあるぜ?それはな、お前が俺のフィアンセだと


「うっさい早く離して!」


はっ、相変わらずのツンデレ、治ってねーんだな。仕方ねえ。」


そう言ってやっと離してくれた跡部。
すかさずブンちゃんの後ろに隠れる。


「ツンデレじゃないから!!っそれより跡部、幸村に言ってた書類、ちょうだい?」


「あぁん?てことはお前、立海のマネージャーしてんのか。」


「してなかったらこんなとこ来ないよ。ほら、みんなに見つかる前に早く!」


「ったく、我が儘だな。俺のフィアンセは。」


もう、そんなのになった覚えはないのに。


その頃ブンちゃんはというと。

(へー、名前って跡部に対してはツンで、俺らに対してはデレなんだな。新手のツンデレってやつか?)

などと考えていたのでありました。




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