絶望の淵で。
□第四衝突
1ページ/3ページ
「相変わらず馬鹿でかいとこだね、氷帝は…。」
「お、なんだ、お前来たことあんのかよぃ?」
「ま、まあね」
どうもこんにちは。
私は現在、ブンちゃんと一緒に氷帝へ来ています。
何故ここに来たかというと、それはさっきの会話に戻ります…
✿ ✿ ✿
「え、4校で合宿?」
「ああ。毎年GWは、跡部の別荘で合宿をしているんだ。今年も立海はそれに参加するよ」
4校で合宿、しかも跡部の別荘。
(うわあ、跡部と再開するのか…)
そんなことを考えつつもへーと返事はする。
「それで名前に頼みがあるんだけど、今から氷帝にお使いへ行ってくれないかな?」
「ええっ。なんで私が?!」
「俺が行ってもいいんだけどね。でも部長だから無理だろう?お供にブン太も連れてっていいから。ほら、あいつ氷帝の芥川に気に入られてるでしょ?…って、名前は知らなかったね」
「え?あ、うん」
「まあとりあえず、そういうことだから。よろしく頼むよ」
はーい、と多少不満ながらもお仕事だから仕方ないと割り込み、ブンちゃんを呼んで二人で氷帝へ向かったのです。
✿ ✿ ✿
そして今に至る!
いや、でも私一人だったら確実に迷ってた。
ブンちゃんを寄越してくれた幸村に感謝だね。
あ、もちろん来てくれたブンちゃんにも感謝しておりますよ。
「よしっ、ここがテニスコートだ。うわー、久しぶりに来たから道間違ってねーかすげえ心配だったぜい」
「まあまあ、辿りつけたからよしとしようじゃないか」
二人で会話しつつもテニスコートに入ろうとした瞬間、何者かに抱きしめられた。
「うわっ…跡部!!!」
「よう、名前じゃねーか。なんでお前こんなとこにいんだよ。もしかしてあれか、やっぱり俺と離れるのが寂しくて戻ってきたんだろ。あぁん?」
その自意識過剰はどこからでてくるのでしょうか…。
「それはないから!とにかく離れてよ、もう!」
っていうか、ブンちゃんもぽかんとしてないで助けて欲しい。
「え、名前と跡部って知り合いだったのかよぃ…?」
「まあ、うん。幼稚園からの友達っていうのかな。中一のときは氷帝に通ってたんだ、私」
「そ、そうだったのか。全然知らなかったぜぃ」
「おい名前、その紹介は一つたりねーとこがあるぜ?それはな、お前が俺のフィアンセだと
「うっさい早く離して!」
はっ、相変わらずのツンデレ、治ってねーんだな。仕方ねえ。」
そう言ってやっと離してくれた跡部。
すかさずブンちゃんの後ろに隠れる。
「ツンデレじゃないから!!っそれより跡部、幸村に言ってた書類、ちょうだい?」
「あぁん?てことはお前、立海のマネージャーしてんのか。」
「してなかったらこんなとこ来ないよ。ほら、みんなに見つかる前に早く!」
「ったく、我が儘だな。俺のフィアンセは。」
もう、そんなのになった覚えはないのに。
その頃ブンちゃんはというと。
(へー、名前って跡部に対してはツンで、俺らに対してはデレなんだな。新手のツンデレってやつか?)
などと考えていたのでありました。