絶望の淵で。
□第八衝突
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桃城と二人で四天宝寺のコートから戻っているとき。
「クソっ…。やっぱりあんな話信じられねえ。…そうだ、美香先輩とドリンクをすり替えた後に美香先輩のドリンクをわざわざ捨てて自分で作り直したんだ。そうに決まってる」
「まあまあ海堂落ち着けって。あんな話嘘に決まってんじゃねーか。きっと財前もあの女に騙されてんだよ」
「チッ…そこまでして…」
「…学校でもなのに合宿でもとか、そんな思いさせるために連れてきたわけじゃねーんだけどなぁ…ん?」
「なんだ、どうした桃…城…」
視線は一点に集中する。
目線の先には名前がいた。
後ろ姿だが、間違えるわけがない。
そして後ろ姿だからこそ、幸村のヘアバンドみたいに巻かれている包帯にも気付かなかった。
「…あいつ…」
海堂が横を見ればそちらへ向かって歩いていく桃城がいた。
それに自然とついていく。
ドンっ
「ひゃっ…」
突然の衝撃で前に倒れる。
「お前また美香先輩に何かやっただろ。これ以上やったらマジで許さねえ。」
言うだけいって、あれからぴくりとも動かない名前を背に二人は去っていった。
「…プリッ」
いやー、大変な目にあった。
入れ替わっとって正解ぜよ。
っつーか幸村恐ろしすぎじゃ…←
思わず反射的に良けそうになったんじゃがのぅ…さすがまーくん、自力で倒れてやったナリ。
まあ、お察しの通り入れ替わっておりました。
幸村が恐ろしい理由は↓
「よう幸村。名前の調子はどうじゃ?」
「ああ、仁王か。悪くはないと思うよ。さっきまで起きてたんだけどね、ちょうど寝ちゃった」
「そうか、なら安心じゃの。」
「…それより聞いてよ仁王。さっきね、名前が頭に巻いてある包帯を指して(中略)。すごい可愛いと思わない?…ふふふっ。」
「…そうじゃな。(これが赤也や丸井の言ってた奴か。)」
半ば呆れながらもそこは詐欺師らしく答える。
「ふふっ、やっぱりそう思うよね。ふふふっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・仁王。」
「っ!なん?」
急に来た殺気にびっくりする。
「…名前を狙う邪悪な心を感じるよ。2人くらいかなぁ…。ふふ、いい根性してるね全く。仁王」
は、何それ超能力?
「お、おう。行けばいいんじゃな?」
「うん。任せたよ」
そして名前になりドアを出たところで桃城に押されて今に至る。
…幸村レーダーおそるべし、じゃ。