カゲロウプロジェクト 私の居場所
□第四話
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カノのおかげで、私はようやく部屋から出るようになった。
みんなが心配してくれていたのは本当で、朝食を食べた後もリビングに残るようになった私によく声をかけてくれる。
「アカネ、片付け手伝ってくれるか」
「はーい」
キドと食事の片づけしたり。
「アカネ、買い出し手伝うっすよ」
「うん。ありがとう」
セトと買い物に行ったり。
「アカネ、お花づくり手伝って」
「うん、いいよ」
マリーとおしゃべりしながら造花作りを手伝ったり。
「あ、アカネさん! 丁度良かった!」
「お話ししましょう!」
「何でそんなに目がキラキラしてるの……?」
モモちゃんとエネちゃんと、カノとのことについて質問攻めにされたり。
「アカネ、勉強教えて」
「うん、いいよ。……算数以外なら」
ヒビヤ君に勉強を教えながら、コノハとのんびりしたり。
「アカネ、散歩いこー」
「はいはい」
カノとのんびり散歩に行ったり。
前と変わらない日常がそこにはあって。
私の考え込みって本当に悪い癖だ。
みんなはこんなに優しくて、いつだって傍にいてくれるのに。
それを疑ったりするなんて、本当に私は馬鹿みたい。
人を信じるのは、少し怖い事。
だけど、
人を信じるのは、とっても素敵な事。
私はこのメカクシ団の仲間にそれを教えてもらった。
――――はず、だった。