カゲロウプロジェクト 私の居場所
□第二話
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「はい、じゃあプレゼントの時間ですよー!」
「え!?」
デザートのケーキまで食べ終え、みんながあらかた落ち着いた頃。
シンタロー君の携帯からエネちゃんの声が響いた。
その画面を私に向けているシンタロー君は面倒そうな顔をしてるけど、どこか楽しげで。
「みなさん、準備はいいですか!?」
「ちょ、いいよ! こんな、いろいろしてもらったのに……」
自分の誕生日も忘れていたような私だ。
祝ってもらえただけでも十分なのに。
「まぁ、もらってくれよ。みんな、お前のために一生懸命選んだんだからさ」
シンタロー君に言われるとさすがにノーとは言えず、私はマリーとモモちゃんに連れられてリビングのソファーに座った。
「はい、じゃあまずは私とご主人からです!」
「うえぇ!? なんで俺らからなんだよ」
突如の指名に、シンタロー君は画面を見て言う。
「いいじゃないですか! ほら、早く!」
エネちゃんにせかされて、シンタロー君はシンプルな赤い包装紙の包みを私に差し出した。
「えと、その、なんだ……。誕生日、おめでとう」
「ありがとう、シンタロー君、エネちゃん。開けてみてもいい?」
私がそれを受け取って問うと、
「もちろんです! どうぞ、どうぞ!」
エネちゃんがそう言ってくれたので、私は包みを破らないよう慎重に開ける。
中に入っていたのは、小さなアルバムだった。
表紙に入っているのはさっきエネちゃんに言われて取ったばかりの、集合写真。
私とカノが真ん中にいて、みんなが揃って笑っている。
「これ、さっきのでしょ? いつ……」
「俺がさっきプリントして仕上げた。写真はエネが選んで、俺が張っただけだがな」
パラパラとめくっていくと、いつだったかにみんなと遊園地に行った時の写真や、いつ取ったのかわからない日常風景も収められていた。
「ありがとう! 大事にする」