カゲロウプロジェクト 私の居場所
□第一話
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「誕生日おめでとう!」
「え、えぇ!?」
今日は私の誕生日。
私自身もすっかり忘れていたのに。
私が帰ってくると、みんなはちゃっかりクラッカーで迎えてくれた。
「驚いた?」
私を散歩に連れ出したカノももちろん共犯だったらしく、ニヤニヤ笑ってる。
「当たり前じゃん」
照れ隠しに私はカノを軽く小突いた。
「ほらお前ら、さっさと座れ。食事が冷めるぞ」
「はーい」
いつまでも戸口に立っている私たちに向かってキドが言う。
ほかのみんなはすでに席についていた。
「はい、どうぞ?」
「何か似合わない」
カノがすっと私の椅子を引いたのに笑いながら言う。
「ひどいなぁ」
そう言いつつ、カノも楽しそうだ。
私は彼に甘えて席に座り、カノは私の隣に座る。
「アカネ、なんか一言」
「えぇ!?」
不意にキドに話を振られ、ちょっと焦った。
が、そんな気がねするようなことでもないのだろう。
「えっと……今日はありがとう。みんなに祝ってもらえて、すごくうれしいよ」
今の気持ちを、素直に伝えれば。
みんなにはきっと届くから。
「私、やっぱりこのメカクシ団が大好きです!」
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