ミカグラ学園組曲 欠陥品マリオネット 完結
□第四幕
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翌日。
俺は登校してすぐに凛さんに声をかけた。
「おはようございます」
「お……おは、よう……」
最近はこうしてちゃんと返してくれるようにもなって、やっぱりうれしくて。
俺は席について昨日から考えていたことを口にした。
「今日の放課後って暇ですか?」
「え?」
彼女がフードの下で目をぱちくりさせている。
「近くに公演が控えてて、皆で準備をしてるんです。もしよければ、凛さんも遊びに来ませんか?」
中等部の時に来たことのある演劇部なら、彼女も来やすいのではないかという考えあってのことだ。
赤間代表には了承を得てある。
「あ、え……でも、その…………」
どうしよう、とあたふたしている彼女に俺は笑顔を向けた。
「いいですよ、そんな急がなくても。別に今日じゃなくて、別の日でもいいですから」
だがすっぱり拒否されなかっただけいい成果だろう。
「……か、考える……ね」
小さく答えた彼女に、俺は頷いて見せた。