暗闇の先に

□4,混乱
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リックとシェーン、グレン、ダリルで森へ行くことになった。

残されたTドックとアンドレアは、家の周囲をひたすら見回ってくれた。



そして先に帰ってきたのはダリルとグレンだ。

話によると2人が並んで歩いていた足跡を見つけたらしい。
そしてランダルはすでにウォーカーになっていて、首を折られてウォーカーになっていたらしい。


「黒幕はシェーンっていうこと⁇」


「...あぁ。たぶんな。」


ダリルはそう言った。

シェーンはどこか信用できないと思っていた私。

...予想通りだった。


「リックとカールが危ないわ‼
助けに行かないと‼」


リックとカールに身の危険が迫っていると知り、ローリは取り乱してしまった。

元はといえば、ローリがシェーンと関係を持ったのが原因じゃないのか...?


「ローリ、探しに行くのは無理よ。」


キャロルが言った。


「今は帰ってくるのを待つしかない。」


ダリルもそう言う。


そしてダリルは私の近くに来て「気をつけろ。」と言った。


私はただ頷きダリルを見つめる。

そしてダリルは外の様子を伺いに、ポーチへ向かった。



しばらくして何やら慌てた様子のダリルが家に入ってくる。


「...おい、奴らの大群だ。」


ダリルは40メートル先ぐらいを歩いているウォーカーの群れを見つけた。


私もポーチへ出てダリルの指差す方を見たが、ハイウェイの群れなど比にならない量だった。


「銃を持て。」


Tドックの言葉にみんなは武器の入った袋から銃を取り出した。

私はクロスボウをを背中に背負い、ウエストポーチのポケットに弾を幾つか入れて、銃を一丁手にする。


「俺とTドック、グレンで時間を稼ぐ。
他は荷物を持って逃げる準備をしておけ。」


ダリルはそう言うと、家の近くに止めていたバイクの方へと行った。

Tドックも続いて行き、グレンが行こうとするとマギーも付いて行った。


「わしも戦う。
農場はわしが守るんだ。」


ハーシェルはそう言うと銃を片手にポーチを飛び出す。


「ハーシェル‼危ないから戻って‼」


「わしも、銃ぐらい扱える。」


私はハーシェルを家に戻そうとしたがハーシェルは言うことを聞かない。


「きっと大丈夫よ。
みんな荷物を持って車に積んで?」


私の掛け声でキャロルとベス、パトリシアに荷物を持てるだけ持たせ、空いている車に乗せる。


「カール‼...カーーール‼‼」


ローリは逃げる準備もせずにひたすらカールを探していた。


「ローリ、逃げなきゃ。」


私はパニックを起こしているローリに言った。


「カールが居ないのよ。
...あの子を置いて逃げるなんて出来ないわ。」


「ローリ‼カールはきっと無事だから。」


私はローリを説得しようとした。


...だけどローリは私の言葉なんて無視し、カールを探して続ける。


「...私が探すから先に車に行って?」


ローリを逃げさせるにはそう言うしかない。

初めから子供をちゃんと見ていれば居なくなることなんて無かったのに。


キャロルもローリもしっかり子供を見ないから...。


何度そう思ったのかは話からないが、もうそんなことはどうでもいい。


私はキャロルとローリにそう言ってやりたかったけど、言うことはできなかった。

そんなことを言ったって、雰囲気が悪くなるだけ...。


カールは銃の訓練も受けてたし銃を持っている。

...それにリックと一緒ならきっと生きてるはずだ。


「キャロル‼」


私はキャロルにローリを連れて行くように言った。

それから私は家の周りを一周回り、カールが居ないかを見て回る。

途中、納屋が燃えているのが見えた。
...きっとリック達だ。

それからこちらに向かってくる二人の人影を確認した。
大人と帽子を被った男の子の影。


私はそんな2つの影を確認してから車の方に戻った。


「...メイ‼後ろに乗れ‼‼」



ダリルはそう言うと私の近くに来て、バイクを止めた。


「ありがと。」


私はダリルのバイクにまたがり、ダリルの腰に手を回す。


「リック達が車に乗るまで、援護するぞ。」


ダリルはそう言うと少し離れたところまで移動をし、ウォーカーを倒し始めた。

私もダリルの横でウォーカーをどんどん倒す。


「...みんなと逃げたんじゃねぇのか⁇」


ダリルはふと私にそう言った。


「ローリがカールを探すって聞かなくて...で、代わりに。」


ダリルは私を少し睨んだ。

...ダリルの言いたいことは確かに分かる。
きっと、「なんでお前が?」と言いたいのだろう。


「ダリル、言わなくても分かるよ?
十分にね。...けど私もやらなきゃいけないの。」


ダリルがそんな事だけで理解してくれるかはわからない。

...けど、お互いに納得するしかないんだ。


それから私はリックとカール、ハーシェルとキャロルが車に乗るのを見届け、農場を去った。
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