暗闇の先に
□4,混乱
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それから何日か経ったある日、グレンから納屋にウォーカーが居ることを聞いた。
そして意見は見事に分かれる。
リックはハーシェルと相談すると言い、シェーンはウォーカーを殺すかフォートベニングを目指すと言った。
そこでキャロルがソフィアを「見つけていない」と反論し、ダリルは「人形を見つけた」と言いそのまま探しに行ってしまった。
そこで私たちの会議は終了する。
することの無くなった私はテントの中で読みかけの医学書を読む。
そしてお昼過ぎにダリルは帰って来た。
「土産だ。」
ダリルはそう言って私の方にリスを投げる。
「今夜、調理するわ。」
私はダリルに言う。
少し経つと急に外が騒がしくなった。
何故かシェーンが銃を持ち、リックとハーシェルとジミーはウォーカーを連れている。
「どういうこと⁇」
私は横で見ていたダリルに尋ねた。
「さぁな。...行ってみよう。」
そう言ってダリルとシェーンの方に向かう。
「シェーン、何してる‼」
「おぉ、ダリル...銃を持てよ。
今こそ戦う時だ。」
シェーンは今まで見たことのないような雰囲気をさせながらそう言ってダリルの方へ銃を一丁投げる。
「投げんじゃねぇよ‼」
私に止めることもできず、すぐ隣にいたアンドレアに一部始終を聞いていたがアンドレアもよく分からないらしい。
そしてシェーンはハーシェルが連れていたウォーカーを射殺してしまった。
リックが扉を開けようとするシェーンを止めようと、ハーシェルに首枷のついた棒を持たせようとしている。
「ハーシェル‼
持つんだ‼持ってくれ‼」
きっとリックはシェーンを止めに行く気だろう。
私は中々持とうとしないハーシェルの代わりに、リックの元に駆け出した。
けど私よりも先に銃弾がハーシェルの連れていたウォーカーの元へと行ってしまう。
そして...シェーンは納屋の扉を開けた。
私も咄嗟に銃を手にする...身を守るため。
次々に納屋から出てくるウォーカー。
シェーン、アンドレア、T ドック、ダリル...次々と射殺に加わった。
シェーンは一度こちらを向くと、リックの連れていたウォーカーを殺しはじめる。
マギーまでもがグレンに行ってと言った。
...けど打つ気にはなれない。
ハーシェルの大切な人、と聞いていた人たち...。
もしこれが私のママやお義父さんだったらって思うと...出来なかった。
そしてウォーカーを全員倒したと思いかけた頃、最後に出てきたのはソフィアだ。
泣き叫び、ソフィアの元へ向かうキャロルを止めたのはダリル。
...そしてリックはソフィアに銃口を向け、引き金を引いた。
仮に飛行機が飛んでいたとして…ママのいる日本に行けたとする。
私はママに銃を向けれただろうか。