暗闇の先に

□1,約束
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あと2日...そう決めてからは楽だった。
食事を取り、明るい間に本を読む。

ただそれだけ。

時間さえ過ぎればそれでいい。


そう思ってた頃、外から車の止まる音が聞こえた。


...もしかして⁇
でも、もう何日も飛行機は飛んでいない。

そんなはずがない。

けどもしかしたら遠くに着いて…車でここまで来たのかもしれない。


ガチャッ....


そんなことを考えている間にドアが開けられ、誰かが入ってくる。


どうしよう。


どんどんと近づいてくる足音に、私はとっさにナイフを手に取って奥の部屋へと行った。

だけど足音はゆっくりとこちらに近づいてくる。

1人だよな…。

ママ⁇お義父さん⁇...それとも、おじさんかおばさん⁇

とりあえず奴らの足音じゃ無いことは確かだ。


「誰か居るのか⁇」


キッチンから聞こえた声は少しかすれた声で、想像していた誰かでもなく、聞いたことのない声だった。

こんな事なら奴らだった方がマシだ。
身内でもなければ女の人でも無い。


私の一番苦手な...…男の人の声だ。


そして足音が少し遠くに行ったと思うと、すぐに近づいてくる。


手の震えと冷や汗が止まらない。

お願いだから...止まって...。


『ガタッ...』


そして私の気持ちとは真逆に手の震えはどんどん酷くなり、ナイフが手から落ちてしまった。


その音に気がついたのか、足音がすぐそばまで近付いてくる。


『キィーーッ...』


目の前のドアが開けられると、そこにはガタイのいい1人の男がクロスボウを構えて立っていた。
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