暗闇の先に
□12,夢か現実か
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ーーーーダリル&キャロルーーーー
ベスをさらった車を見つけたダリルとキャロルは車を追いかけて組織の内部を知るノアという青年に出会った。
2人は彼から向こうの状況や人数を聞き、3人でベスを救いに行こうと言ったキャロルにノアは猛反対をした。
「あなたはどう思う?」
「一度戻るべきだ。」
尋ねられたダリルはキャロルに言う。
そして教会に戻る途中で車の調子が悪くなった一行は、車を降りてひたすら森を歩き続けた。
そしてすっかり日の沈んだ頃、ようやく教会に着いた3人。
そんな3人を迎えたのは物音に気付いて外に出てきたミショーンだった。
「おかえり。」
先頭を切って歩いてたダリルにミショーンは言った。
続いて顔を見せたのはキャロル。
二人の無事を確認したミショーンは少しホッとした表情を見せた。
「紹介したい奴がいる。」
ダリルはミショーンにそう言うと、後ろに顔を向けて「出てこい。」と呟く。
「リック、ダリル達が帰ってきた。」
ミショーンは室内にダリル達を連れて行き、リックに言った。
「で、メイは⁇」
ノアや病院の説明を終え、リックがそう言った時......
外から2発の銃声が聞こえた。
「なんだ⁇」
その銃声に1番に反応したのはタイリースだ。
「ミショーン、キャロル‼
カールにすぐ戻ると伝えてくれ。
ダリル、帰って早々だが「あぁ。」
ダリルはリックの言葉を全て聞く前にクロスボウを持ち、返事をする。
その後、リックとダリルが森に続くひとつの足跡を辿った。
脳天にクロスボウの刺さったウォーカーや銃で倒されたウォーカーが複数倒れているが、そんなことは構わず足跡だけを追う。
「ここでやり合って...」
辺りを見回したダリルとリックだがメイの姿は見当たらない。
「こっちだな。」
そしてさらに足跡を辿っていく2人。
「足を引きずってるみたいだ。
......噛まれてねぇだろうな。」
「血痕はないしメイは賢い。」
そしてダリルは、その先で立ち止まった。
「ここで止まってる。」
「...待て、これは手形か?」
リックは立ち止まった先にあった手形を見てそう呟いた。
だが、ダリルはその場に残された他の手掛かりを見つけていた。
「メイに間違いない。
包帯を持ち歩いてるやつなんてあいつぐらいだ。」
ダリルはリックにそう言い、すぐ近くに転がっていた包帯を手に取る。
「おいダリル、他にも誰か来てるぞ。」
今度はリックが足跡を発見したようだ。
「2人居る。
......ここでメイを担架に乗せたんだ。」
そこは何かの角のような跡があり、さらにその角には持ち上げるときにできるような、指で作った自然なくぼみができている。
そしてダリルはその場にクロスボウを刺して座り込んだ。
「っくしょう...‼
メイもかよ‼‼」
地面に怒りをぶつけた後、土だらけの手で悔し涙を拭いたダリル。
「...戻って、奴らの拠点に行く準備をしよう。
作戦を練るんだ、ベスとメイの為に。」