暗闇の先に

□11,光と闇
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「あなた一体何をしたの⁇」


あの後すぐに合流したタイリースによって、キャロルとダリルも行方不明ということがわかり、サシャはゲイブリエルへと怒りをぶつけた。

突然そんなことを言われたゲイブリエルは、何が起こっているのか把握できていないようだ。


「一体何をしたのよ⁇すべての辻褄が合ってるわ‼

あなたと出会ってから私たちは監視され、仲間の3人が行方不明になった。
関係ないと言い切れるの⁇」


少し言いすぎな気もするが、彼のせいではないだろう。


私がそう考えているとサシャはポケットからナイフを取り出した。


「サシャ‼ナイフはだめよ。」


私の言葉にすぐ横に居たタイリースも同じようにサシャを止める。


「外にいるのは誰なの⁇」


「私は何も知らないんです。」


「仲間はどこなのよ‼」


ヒステリックにそう叫んだサシャ。

サシャの叫び声を聞いたリックがこっちに来てくれたみたいだ。


「なぜ俺たちををここへ連れてきたんだ⁇

他に仲間がいるのか⁇」


そうゲイブリエルに聞いたリック。


「私はずっと独りです。」


「フードバンクの女性は⁇
君は彼女に何をしたんだ!?

“地獄で焼かれろ”と書かれたのはなぜなんだ⁇

焼かれなきゃいけない理由はなんなんだ⁇ゲイブリエル!??」


はじめは冷静に話しあってたが、はっきりとしない答えを続けるゲイブリエルにリックはゲイブリエルの首元を掴んで問い詰めた。


「ちゃんと話し合えばいいじゃない。

暴力なんかでものを言わせないで‼」


私がそう言うとリックはゲイブリエルを離し、再び聞く。


「何をしたんだ⁇」


「混乱が始まってから私の信徒が集まりだしました。

前夜、政府によってアトランタが爆撃され、みんなが恐れていました。

安全な場所を求めてきた彼らに私はドアの鍵を開けませんでした。

少ししてものすごい数の人が押し寄せ、扉をこじ開けようとし、壁や扉を叩いてきました。

私に向かって叫び声を上げ続け、しばらくして彼らのもとに奴らが来て

......彼らは皆、死んでいきました。」


目に涙を浮かべながらそう言ったゲイブリエル。

こうなってしまえば仕方のないことだったのだろう。


ゲイブリエルが最後まで話してくれたことで、彼は無実なんだろうと思った私。


「彼の言葉は本当よ。

実際、彼に会う前から私達は誰かに付けられてた。

さっきまではそれが彼かもしれないと注意してたけど、この調子なら彼の言葉が本当だと認めてもいいと思う。」


私は泣きながらも無罪だと言い続けるゲイブリエルを見ながらそう言った。


「男に騙され続けるメイに何がわかるのよ。」


私に反論したのはサシャだ。


決して騙されてるわけじゃない。


そう見えるかもしれないけど、そういうわけじゃない。

ただ、男の人を目の前にすると体が固まってしまって、抵抗できないだけだ。
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