暗闇の先に
□10,仲間という家族
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太陽が昇ると男達は起き出した。
ジョーと呼ばれる男に付いて来いと言われ、みんなが別行動をし始める。
...逃げるなら今なのかもしれないが、彼らに武器を取られてしまってる以上、逃げれたとしても手ぶらで生き残るのは不可能だろう。
私は仕方なく、次のチャンスを伺うことにした。
けど中々チャンスは現れない。
2時間ちょっとで合流した彼らはそれぞれで朝食を済ませたみたいだ。
私もジョーのとらえたウサギを一欠片貰った。
「あんた、もしかして英語を話せないのか?」
ジョーは私にそう聞いたが彼と話すつもりはない。
いっそのこと喋れないと思われていた方がいいだろう。
言語スイッチを日本語に切り替えよう。
そして彼らは私を解放しないまま、森を歩き続けた。
彼らはどこへ向かってるんだろう。
キャンプは無いのかなぁ?
私は彼らとどこまで一緒にいなくてはいけないのだろう。
そして足元にある線路は一体どこに繋がってるんだろう...。
みんなの元に繋がっていればいいのに。
疑問を抱きながらも歩いていると、地面に座り込んでる人が居た。
あの羽根の柄のついたベストはきっとダリルだ‼
...けど、なんでこんなところで座り込んでるの⁇
「見てみろ、人間だ。」
そう言ったジョーにダリルは顔を上げ、私と目があった。
そして次の瞬間、ダリルはジョーを殴っていた。
「やめとけ。」
男はそう言うとダリルはクロスボウを構えた。
「後ろを見てみろ、銃を構えた奴もいる。
アンタが俺を殺せばあいつらがお前を撃ち殺す。
馬鹿なことはするもんじゃねぇぞ。」
ジョーはそう言った。
ダリルはずっとクロスボウを構えていたが、私をチラリと見てからクロスボウを下ろした。
「俺はジョーだ。」
「...ダリルだ。」
そして仲間の説明をしていくジョー。
「こいつは...名前は知らねぇ。
昨日見つけたばっかりだ、
言葉は通じないが...いい女だぜ?
お前にもそのうち貸してやる。」
私の事はそう説明したジョー。
「いい女か。」
ダリルは黙って頷き、そう呟いた。
「あんなところで何をしてた?」
ジョーはダリルにそう尋ねた。
まるで私が聞きたかったことを代弁してくれてるみたいだった。
「キャンプでトラブルがあって仲間はバラバラに。
そいつと同じくらいの年齢の女と一緒だったんだが、昨日の夜にあそこで連れ去られた。」
ダリルは私に一度目線をやってそう言った。
私と同い年ぐらいって事はきっとマギーがベスかサシャだろう。
けど、ベスはバスに乗ってたはずだしサシャはボブと逃げていた。
...もしかしてマギー⁇
「そうか...人探しなら俺もしてるさ。
仲間を殺した奴らをな。」
ひたすら歩いた。
途中、一匹のウサギを取り合ったダリルとレン。
そしてその間に入ったジョーはウサギを半分に分け、仲良くしろと言った。
少しして私たちは小屋を見つけた。
どうやら車の修理工場らしい。
そこが今夜の寝床らしく、工場に入るとそれぞれが好きな車の中へ行き、私はジョーに服を脱がされた。
どこからかダリルとレンの言い合う声が聞こえる。
「くっそ...。」
ジョーはそう言うと、私から離れてダリル達の方へ行った。
私はその隙にいつか使えるようにと転がっていたドライバーを服のポケットに忍ばせる。
ジョーに取られてしまったクロスボウにウエストポーチ。
いつかグループから抜けれるチャンスが来たとしても、武器がなかったら戦えもしない。
そして私は服で体を隠しながら外へ出て、ダリル達の方をチラリと見た。
何かを言い合っているみたいだ。
ダリルが私に気付いたのを確認すると私はポケットに忍ばせたドライバーを見せた。
きっとダリルなら私をここから連れ出すチャンスを作ってくれる。
少しするとジョーはレンにリンチの指示を出した。
どうやらレンは嘘をついたらしい。
そしてレンは男達に殴り続けられていた。
ジョーがダリルにウサギの半分を渡したのを見ると、どうやらウサギを取り合って喧嘩をしていたみたいだ。
ダリルはウサギを受け取ると、私を指差した。
何を話してるんだろう...。
しばらくして会話を終えたジョーは私のところに来ると、私をダリルのところへ連れて行った。
そして私を置いてジョーは元の場所に戻って行った。
「怪しまれないためにも、悪いが手荒くいくぜ。」
耳元で小さくそう言ったダリルは私を地面に寝かすと覆い被さった。
「ベスが連れ去られた。他は知らねぇ。」
今までにない手荒い行為の最中、ダリル耳元でそう言った。
「私は父を...殺した。」
ダリルの耳元で囁いた後、一瞬動きが止まったがすぐに動き始めた。
「絶対このグループから抜け出すチャンスを作る。
俺が合図するまでドライバーはポケットの中に入れとけ。」
「んっ...ごめんね...また...ダリル以外の人に.......。」
私はダリルに謝った。
私の言葉を聞いた後のダリルは私に怒ってるかのようにそれまでよりも一層激しくなった。
子宮が収縮するのを感じる。
「こういうプレイの方が好きか?」
そう意地悪に言うダリル。
耳が弱いのを知ってるくせに耳元でそう囁くダリル。
ダリルの掠れた声がすごく心地いい。
いくらコソコソしてるからと言って、きっと楽しんでやってるだろう。
けど、私の体はその言葉に応えるように反応し続ける。
...でも嫌いじゃない。
こんな状況なのに愛を感じてしまう私はもしかしたらおかしいのかもしれない。
「誰かに会ったか?」
ダリルはそう尋ねたが今の私は頭が回転せず、中々答えれない。
「結構キテるみたいだな。」
ダリルはそう言うと、私を絶頂へと導いた。