暗闇の先に
□6,再会
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刑務所に近づいた頃、車のエンジン音が聞こえ、私達は木の陰に隠れた。
メルルは「総督だろう。」と言っていたが、それを聞いたダリルは歩くスピードを速めた。
きっとリック達が心配なんだろう。
私は本当にみんなの所に戻って良いのかな⁇
こんな身体で...こんな役にも立ちそうにない今の私が。
「メイ、悪いがこの辺りに居てくれ。
...何かあったらこれで対処しろ。」
ダリルはそう言って私を下ろし、ナイフを渡し、ダリルはフェンスの方に向かっていった。
どうやらフェンスの中にウォーカーが居て、みんなで倒しているみたいだ。
...もうウンザリだよ。
ウォーカーにもこんな生活にも...私にも......。
戦いに加戦するダリルを見ながら、手に持っているナイフのことを考える。
このナイフで死ぬ事が出来たらどんなに楽だろうか。
......そう考えた次の瞬間、私はナイフを手首に当てた。
切れ味の良いナイフの当たったところに血が滲む。
...私にもまだ人間らしいところはあったんだ。
そして私は手首だけじゃなく腕にもナイフを当てる。
切ったら血が出る。...そんな普通のことが快感に感じる。
...その時、私のすぐ後ろでウォーカーがバタリと倒れた。
そして倒れたウォーカーの頭には矢が刺さっている。
「メイ‼気をつけろよ‼‼」
そう言って近づいてきたダリル。
中庭は少し落ち着いたみたいだ。
「...ってお前......」
私の手を見たダリルはポケットからバンダナを取り出すと、私の手の傷口に当てた。
それからダリルは私を抱き上げ、フェンスの中へと連れて行った。
「リック、シャワー使わせてもらうぞ。...キャロル、メイの着替え、シャワールームの前に置いといてくれないか⁇」
ドラム缶に溜めている雨水や川の水のシャワー。
貴重なシャワーを使うのは週に1度ぐらい。
...けどダリルは私をシャワールームへと連れて行った。
ダリルはカーテンを閉め2人だけの空間し、自身の服も脱ぎ、私の毛布も脱がせて水を出した。
「...無理してんじゃねぇよ。」
そう言って私の体を抱きしめ、背中をゆっくりとさするダリル。
私はそんなダリルの胸の中で泣いてしまった。
「...かった......怖...かった。」
そのたった一言を発するのにこんなに時間が掛かるだなんて思ったことはなかった。
そしてダリルは私の首元にキスを落とし、私の体を隅から隅まで洗ってくれた。
私の体を見て、エッチな気分にならないわけのないダリル。
反応はしていたけど、必死に我慢してくれていたダリル。
「...ごめんね?ダリル......。」
「構わねぇよ。...ただ、コレは許してくれ。」
謝る私にダリルは自身のモノを指差して言った。
「仕方ないなぁ...。」
そう言って笑う私にダリルは「お前のせいだ。」と言い、笑った。
体を綺麗にし終えると、今度は優しくタオルで体を拭いてくれて服を着せてくれた。
「キャロルにお礼…言わないと。」
キャロルの用意してくれた服や靴は、キャロルの物だった。
そしてダリルは私を独房に連れて行くと「少し休め。」といって独房の外へと行ってしまった。
外から話し声が聞こえていたが私はすぐに眠ってしまった。