暗闇の先に

□2,強くなろうとするほどに
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「とりあえず、ウォーカーを火葬しよう。」


デールの提案で、私達はウォーカーを一箇所に集め、燃やすことになった。

途中、リックとグレンがエドやエイミーを火葬するかで揉めている。


「...はぁ〜。」


運んでも運んでも沢山いるウォーカーに、つい溜息を吐いた。


「力仕事は男に任せて、みんなとあっちで休んでろよ。」


私と作業をしてたダリルにそう言われた。


「...平気。
みんなの力になりたいし。」


私がそう言った直後、ジャクイルが大きな声で言った。


「ジムが噛まれてるわ‼」


大事件の発生にみんなはジムの所へと集まる。


「今すぐに頭をぶち抜け。」


「いや、彼はウォーカーじゃない。
ただの病人だ。」


「どうせあいつらだって転化する‼」


ダリルはリックに言い寄った。


「ねぇダリル...2人とも、まだ人間なんだよ⁇
転化するにしろ、まだ人間なの。」


私はダリルに言った。


「...勝手にしろ。」


ダリルの言いたいこともわかる。
...だけど彼はまだ生きている。


全て積み終えたウォーカーに火をつけると、私はジャクイルに呼ばれた。


「ジムが呼んでる。」


私がキャンピングカーへ向かおうとするとダリルは「気を付けろ。」って言ってくれた。


「ジム⁇大丈夫⁇」


キャンピングカーに行くとジムは横になっていて、熱も出ているみたいだ。


「...大丈夫、さっきはありがとう。

君は絶対にここを出ちゃダメだ。」


「...え⁇」


いきなりそう言われた。


「...わかるんだ。
君はダリルの側に居るべきだって。」


「......。」


「奴は君の弱い所も理解してくれるはずだ。
...それに奴の弱い部分を支えてやれるのも君なんだよ。」


「...なんで⁇」


ジムの言葉には吸い込まれるほどに説得力があった。


「君が来る前ダリルは兄貴意外と殆ど喋らなかった。
...ウッ...ゴホッ...」


ジムはそこまで喋ると血を吐いてしまった。


「...ジム⁇」


私はジムの背中をさすった。
...自分でも不思議だった。

自分から男の人に触れれるなんて。


「...悪い...少し寝かせてくれ...。」


そう言うジムに私は水を手渡してキャンピングカーを出た。


「CDCへ行けば薬があるはずだ...CDCに向かおう。」


「おいリック...
生き残りたいならフォートベニングに行くべきだ。」


キャンピングカーの前でリックとシェーンが話しているのが聞こえた。


「ジムを助けるべきよ。
ジムが治ってから、フォートベニングに行けばいいじゃない。
フォートベニングが安全なら尚更、あの状態のジムは連れて行けないわ。」


言い合っている2人の元へ行き、私は言った。


「おいメイ...正気か⁇」


「えぇ。」


私はそう言ってリックの方を見た。

...けどリックの目線は転化しだしたエイミーとアンドレアへと向いていた。


そしてリックがエイミーの方へ向かうとほぼ同時に、アンドレアは転化したエイミーを撃つ。


それから私達は用意していた穴に、エドとエイミーを埋葬した。
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