like a rainbow
□復帰
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「でもソフィーさん、ノブさんに用事ってなんなんですかね。
引き抜きじゃないって言ってたけど、なんだか怪しくないですか?」
俺にそう言ったシン。
「あぁ…。」
俺は適当に返事を返した。
「…やっぱいいです。
僕、稜子さんとこに行きます。」
「あぁ…。
……っておまえ稜子さんって「今のヤッさんに言われても説得力ないですよ。
いいんですか?ソフィーさんに誤解されたままでも。」
そう言われ、俺はシンに返す言葉を失ってしまった。
そうしている間にシンはタクシーを拾って何処かへ行ってしまったようだ。
なにしてるんだか……。
ブラストのリーダーであり、ソフィーの恋人…なのに俺はなにしてんだよ。
…そんな自分に腹が立ちつつも俺は自分の家にを通り過ぎ、ソフィーの家へと歩いた。
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ノブやシンのことはただの口実だったのかもしれない。
手いっぱいの現実から逃れるために、俺の勝手なエゴで付いた嘘だったのかもしれない。
なぁソフィー…俺はいま、お前のことがわからないんだ。
昔ソフィーがレンに心変わりした時みたいに…ノブに心変わりしてんじゃないかと、つい疑ってしまう。
いいかげん、俺のことだけを見てくれよ…。
音楽でもホットココアでもなく.........ただ俺だけを。
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ソフィーのマンションの前で待つこと約2時間。
ソフィーが帰ってくる様子は全くない。
痺れを切らした俺は、仕方なくノブに電話をかけた。
もうさすがにソフィーとは別れてるかもしれない。
まずはノブに聞いて...それからソフィーに連絡をしよう。
そしてノブに電話をかけ、確認してみる。
どうやらソフィーはノブをシナモンズのアルバイトとして雇ったらしい。
ソフィーに代わってもらったが、俺とレイラの事については何も言えず、結局弁解すらさせてもらえないまま電話を切られた俺。
そして外へ目をやると、ソフィーに張り付いているという記者が居ることに気がついた。
はぁ...。
同業者だと思われてりゃいいんだが。
俺はため息をついて、ソフィーのマンションのエントランスを出て、タバコに火をつける。
ソフィーはノブをバイトに雇ったなんてどういう事だよ。
引き抜きはしないって言ってたから本当にバイトだけなのだろうが、なぜかモヤモヤする。
忙しすぎるって言ったって他にいるだろ...。
...とにかくソフィーとちゃんと話がしたい。
でもこんなに忙しいんじゃ、それも難しいか......?
俺はそう思いつつ、数日ソフィーからの連絡を待った。