Polaris

□3章
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Hibito side


一命をとりとめてから迎えに来たビードルに乗り込み、横になった俺とダミアン。

ダミアンも生きていて俺は安心した。


ムッちゃん、美月、父ちゃん、母ちゃん、アポ...無事地球に帰れそうだよ。



「ん...あー...?俺、寝てた⁇」


気がつくと俺は眠っていたらしく、ビードル内にはリンダが居てくれた。


「グースカ寝てたわよ。」


「そっか。」


あれからまだ少し頭が重くて...つい眠ってしまった。


美月の夢を見ていたような気がする...。


それから月面基地内に戻って、フレディに良いことを教えてもらった。


俺が戻ってこれたのは、地上にいる吾妻さんとムッちゃん、美月のお陰だということ。


ムッちゃんと美月が俺の行動を予測し、ビードルの目的地の変更を提案したがNASAが却下し、それで吾妻さんがBRIAN-IIIの行き先を指揮してくれたという。


きっとブライアンが俺を呼び止めてくれたんだと思う。

そう思うと俺は4人もの宇宙飛行士に助けられた。


ブライアンJと吾妻さん、ムッちゃんと美月だ。


きっとムッちゃんと美月にすげぇ心配させたんだろうな。


地球に帰ったらすげぇ怒られそうだ。



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数日後、JAXAでの座学や挨拶回りなどのオリエンテーション期間の最終日を迎えた私たち。


最後の講座を受け終えた後、部屋に那須田理事長と小町さんという方がやって来た。


「これが六太はんでせりかちゃん、美月ちゃんと...」


私たちに順番に紙袋を配っていった小町さん。

那須田理事長の声掛けで一斉に紙袋の中身を確認すると、そこにはブルースーツが入っていた。


このブルースーツを着れる日をどれだけ楽しみにしていたか。

そんな思いを抱きながら紙袋をぎゅっと握りしめる。


「ほら、早速着替えてきぃ〜や。」


小町さんは嬉しそうに言った。



それから更衣室で着替える私たち。

お揃いのジャンプスーツに靴。


唯一違うのは左胸。

それはJAXAのロゴの下にある私たちの名前だ。


これでようやく、あの頃の日々人に追いついた。



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ジャンプスーツを受け取った翌日、私達はヒューストンへと行った私達。

さらにその翌日からは家探しが始まった。


初日はせりかちゃんと絵名ちゃん、そして機能が新田さんと真壁さん。

さらにその次の日に私の番となった。


「美月ちゃんはアレやろ?日々人の近くに家借りるんやろ?」


いつの間にか私が日々人と付き合ってることが小町さんにもバレている。

まだ、ついこの前会ったばかりだと言うのに...。


「いえ、私は別にどこでも...」


「どうせ住むなら近い方がええやろ?私に任しとき!

日々人なぁ〜、前にこっちで日本人の友達ができたって喜んでてんで?」


前というのは、私と日々人が初めて出会った時のことだろうか。


「でも話聞いてくうちにただの旅行の子って言われて、もう会うこともないような子に友達って...って思っててんけど。

日々人からアスキャンの中にその子がいるって聞いた時にはビックリしたわぁ〜。」


きっと他の誰とも一緒に不動産巡りをしなかったのは、日々人の家の近くを探す為だからなのだろう。


「み〜んな無事に契約したみたいやし、私に任しとき‼

あ、マシュマロ食べや?」


小町さんは運転中、ずっとそんな感じで話し続けていた。



不動産屋でいくつか提案されたマンションのうち、私は北側にバルコニーか大きな窓がある部屋をピックアップして内見に向かうことにした。


北側ならば北極星がいつでも見えるはず。


3部屋回った末にダイニングと個室に出窓があり、さらに広めのバルコニー付きの部屋に決めた。


他の部屋に比べて家具は無いけど、家具の有無よりバルコニーが気に入ったのだから仕方ない。


「それじゃ、明日はみ〜んな揃ってモール巡りやな。」


アスキャン達が宿泊するホテルで降ろしてくれた小町さんはそう言って自分の家に帰って行った。


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