novel
□Rain
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「L、こっち!」
「メロ、あまり急いでは危ないですよ」
眩しい光が指す中、ワイミーズハウスから程近い草原の上に、Lとメロは立っていた。
空気が澄み渡っている。メロは息を大きく吸ってそれを感じた。
「ね、L…」
「はい?」
「キスして」
嬉しそうにLを見上げ、セミロングの金髪を揺らすその姿は何処の可愛いお嬢さんかという程。普段のやんちゃさを除けばの話だが。
「皆には秘密ですよ」
Lはメロを抱き締める時、キスする時、その幼い身体に触れる時、必ずこう言った。
メロはそんな甘い響きが聞きたくて、必ず口に出してLを求めた。
普段無表情なLが自分だけに見せてくれる優しい顔、艶を帯びた顔…
Lはワイミーズハウスの子供達みんなの憧れであり、能力的に一番Lに近いのはニア。だが、メロにとってはLを継ぎたい気持ちよりも、Lの傍に居たい…愛している気持ちの方が強かった。
勉強はいくら頑張ってもニアに追い付けなかったが、自分はLの腕の中を手に入れた。メロはそれだけで幸せだった。
「ん……、えるぅ…、」
長身のLはメロの顔の高さに合わせ、屈んでメロと唇を合わせている。
メロは甘い吐息を漏らしながら、Lの両肩を掴んでいた。
「…!?」
メロがLの身体を引っ張った。予想外の動きにLはメロに覆い被さるように倒れかけた。