BL小説集
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ヘルガの元にも、バスティアンの書状が届いていた。
内容が内容だけに、ヘルガは間者がいると見抜き、すぐさま拘束、拷問にかけた。
兵の一人が、間者の足の爪を剣の柄で潰す度、情けない悲鳴が上がる。失禁したものか、すえた臭いがあがる。
「うるさいわぁ」
間者を捕らえた魔女の力は、確かに恐ろしい。
しかしそれ以上に、拷問の様子を、甘い菓子を口にしながら眺めるその姿こそ、恐るべきものだった。
ヘルガは書状を見直し、喉の奥で笑った。滞った嫌がらせの計画を、再び構築させる。
「面白い。うくく、大豚め、それならお望み通り、贄にしてやるわ」
泣きつかれたフリードリヒは、目元が腫れることも気にせず、乱暴に涙を拭うた。
そして、月光りに照らされる“忌まれし森"を見る。
「鼻_な水:出てぃ>る」
「ふぇあ……。んと、今まで、あなたを勘違いしてました。ごめんなさい」
「――<同?情/.」
フリードリヒは首を横に振りかけたが、思い直して頷いた。
勝手に自己を投影し、自分の思い違いが解決すれば、与えようとする。これを同情と呼ばずなんとするか。
「だ.だだっ=たら_肺を<をちょう+だい.」
「だめです。いくら繋ぎ合わせても、人にはなれません。ケツァルコアトル様も言っています」
「もうう→押し〉し〉問ん/答には飽きひ~た/_」