BL小説集

□二
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「っな、隆之さんは友人です!それを、そんな風に見るなどと!」

『それが駄目だと言うんだッ!』

 思わず大声で返せば、それ以上の声高がきた。

 めったに聞かないそれに、左京が体をすくませる間にも、激励か罵声か判断しかねる言葉が続く。

『きみは、きみの自己満足だけで側にいるだけじゃあないか。いい加減にしたまへよ』

「……おっしゃる通りです」

 左京が湯目乃にこれほどまでに怒られたことなど終ぞなく、しかも心中にぐさりぐさりとくるものだから、左京はすっかり消沈してしまった。

 だがこれでよかったのだ、と左京は思った。
 友人相手では、つい自分が正しいと思い込んでしまう。

 分析し、指摘してくれる湯目乃の存在をありがたく思い、礼を言おうとすると、ぼそりと独り言が聞き取れた。

『ま、本意がそーしたがってるんだろーけど』

「先生?今、何か……」

『あきゃきゃきゃっ、んじゃあまた会おうねえへぇ』

 一方的に切られてしまい、結局は聞けず仕舞い。

 左京は首を傾げつつも、湯目乃の言う通り、何か手がかりになるものを探すことにした。
 
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