短編
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え〜っと〜、僕は介助犬を目指して訓練中のゴールデンレトリバーですっ。同い年のシェパードさんと一緒に今日も頑張るぞー。
「きょうは何をするのかなあ、かなあ」
「おいバカゴールデン、さっきから尻尾があたってるのむかつく」
「さあ、今日からお散歩の練習ですよ。まずはリードに慣れましょうね」
訓練員さんの持つながーいリードに、僕は大興奮で飛びかかっちゃうー!長いもの大好きー!
「うわああヒモだああヒモだいしゅきいいいい!」
「ちょゴールデンちゃん!そんなに振り回したら」
ってうわああ、手足に絡まって起き上がれないいー!
「ふええシェパさんとってー」
「うるさいバカゴールデン!かむぞバカ!はぐはぐ」
シェパさんやめてー耳かまないでーむず痒いのー。
「シェパードちゃんはちょっと待てね、リード取るから」
「こんなのわたしでもできます!バカゴールデンとはちがうのです!」
さっすがシェパさん!と思ったら、なんかてきとーに引っ張ってるだけみたいな?
なんか締め付けがさっきより強くなってるう。
「あ、あれっ?あれえ?」
「シェパさんっ、くび、くびしまっぐええ」
「あー……」
「よし、散歩に行くぞ」
「はーいご主人、リードつけて」
屈んで首輪を見せると、ご主人はリードをつけてくれる。確認のために二回引っ張るのがご主人のやり方。
「お前はリードで遊ばないな、偉いぞ」
「えへへー撫でてーえへへー」
やったー褒められたっ!