ツバサ
□忠犬黒鋼
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我慢って言葉、知ってる?
忠犬黒鋼
「お兄さん素敵ですね〜。」
「フフーありがとう。」
「・・・。」
「あの〜良かったらこれから私達と遊びに行きませんかぁ?」
「えーそれってもしかしてナンパ?」
「・・・。」
「きゃー!その通りでぇす!」
イライラ
イライラ
オレが女の子達と喋っている隣で舌打ちしそうな黒りん。きっと嫉妬してくれてるんだ、とちょっとありえないことを考える。
「ねぇ、行きましょうよ〜。」
「せっかくだけどごめんねー?人を待ってるからさ。」
「そんなこと言わずに〜!ねっ?」
スルリと腕に絡み付いてくる女の子。ほどこうとしてもほどけない腕にどうしよっか、と思う。すると、黒りんは限界だったのがガシッと女の子の腕を掴んだ。
「きゃっ!?」
「わりぃが、お前等に付き合ってる暇なんかねぇ。」
ぐっと捻りあげれば、女の子達は黒りんに文句を言いながら去っていく。それにケッと悪態を吐いた黒りんは睨み付けるようにオレを見た。
「ダメでしょ黒りん、女の子に乱暴しちゃ。」
「うるせぇ。」
プイッとそっぽを向くが、隣から動こうとしない黒りん。その姿はまるで・・・。
「犬みたい。」
「あ?なんか言ったか?」
「んーん!なーんにも?」
何時ものようにへにゃりと笑って誤魔化せば、黒りんは訝しげな表情をした。
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