☆彡春のエゴイスト2
□春のショッピング
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駅前通りを自転車で走っていたら歩道を歩いているヒロさんを発見!
急ブレーキをかけたら、キキーッという大きな音が響いて転びそうになってしまった。
「ひゃっ!危ない、危ない。」
自転車から降りて振り向くと、ヒロさんが怖い顔で歩いてきた。
「お前、なにやってんだよ。いきなり止まったりして事故ったらどーすんだ!」
「すみません。ヒロさんが見えたのでつい。」
「ヒロさんバカも程々にしろよ!」
叱られて・・・でこピンを食らってしまったけど
「怪我はないか?」
俺の身体を心配してくれる。
「大丈夫です。」
「よかった。あまり心配かけさせんじゃねーよ!クソガキ!」
ホッとしたように笑って俺の顔を見つめるヒロさん。
「ビックリさせちゃってごめんなさい。これからは気をつけます。」
ヒロさんは優しい・・・
「駅前に用事?」
「はい。仕事帰りに買い物に。ヒロさんは?」
「見ての通り帰宅途中だ。先に帰って飯作ってやってもいいけど、買い物って食材なのか?」
「いえ、食材はまだあるので大丈夫なんですけど・・・」
折角だからヒロさんと買い物デートがしたい。
だけど、ヒロさんも仕事をして帰ってきたわけだし、疲れてるかなぁ?駅までUターンさせるのも申し訳ないけど・・・
「良かったら俺の買い物に付き合っていただけませんか?」
ダメ元で聞いてみたら
「いいよ。俺もお前と一緒にいたい・・・気分だし。」
嬉しい応えが帰ってきた♪
「ありがとうございます!」
いそいそと自転車用の通路から歩道に移って自転車を押しながらヒロさんの隣を歩く。
「何買いに行くんだ?」
別に教えてもいいんだけど今回はちょっと変わった買い物だから
「えっと・・・内緒です♪」
売り場についてからのお楽しみということで。
「変な物じゃねーよな?」
頬をピクピクさせながら不安そうに俺を見上げるヒロさん。
「変な物って?」
ヒロさんは俺から目を反らして横道の方をチラリと見ると、慌てて視線を泳がせて
「べ・・・別に!違うならそれでいい///」
真っ赤になっている。
どうしたんだろう?
ヒロさんの視線の先にあったのは・・・ピンク色のネオンの看板が目立つ大人のお店だ。
「あはは・・・それは大丈夫です。」
変態認定されている所為であらぬ誤解を招いてしまった。
「良かった。この前ローション使い切ってたからまさかと思ってさ。」
「あ・・・」
しまった。あれが無いと今夜ヒロさんを抱けないじゃないですか〜
「野分?」
「ヒロさん、本屋に行く予定とかありませんか?俺、自転車なんで荷物いっぱい乗りますよ。」
ヒロさんが本を見ている間に、一人で買いに走ります!!
「はいはい。ゆっくり本見てればいいんだろ?」
「お願いします。」
俺の顔を見上げてフッと笑うと、ヒロさんは足取り軽く歩き始めた。
嬉しそうなのは本が見たいから?それとも・・・
ヒロさんも俺を求めてくれているって、少しは自惚れてもいいよね。
「あ、ヒロさん!そっちじゃないです。」
行き先を知らないのに先に行かないでください。子供のようなヒロさんが可愛くて優しく手を取った。