純情エゴイスト〜のわヒロ編2〜

□後悔先に立たず?
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今日はヒロさんと一緒に映画館に来ている。

デートの約束をしたのは2週間前。

勤務表をチェックしていたら久々に日曜日に丸一日休みの日があった。ヒロさんにその日の予定を聞いたら空いているというので、折角だから出かけようということになった。

ヒロさんに行きたい場所を聞かれたけれど、俺はヒロさんと一緒ならどこでもいい。だから、いつも通りに『ヒロさんの行きたい所がいいです。』と答えたら、たまには俺が行きたい所に行けと怒られてしまった。

図書館や本屋にはヒロさん一人でも行けるし、公園も先月行ったばかりだったから、映画を観に行きたいと答えた。

宇佐見さんの小説が映画化されて、今月から上映されている。TVで映画のCMが流れたときにヒロさんがじっと見ていたのを思い出した。

観に行きたそうだったけれど、宇佐見さんの作品だから俺が嫌がるだろうと思ったのかヒロさんは何も言わなかった。

だから、俺の方からその映画を観に行こうと誘ってみることにした。確かに宇佐見さんのことはライバル視しているけれど、そのことでヒロさんに気を使わせたくはない。

それに…映画館は薄暗いから手を握っても怒られないかもしれないという、ほんの少しの下心もあった。

そんな訳で、今その映画を観ているところなのだけれど…ヒロさんが隣で爆睡してます…

俺にもたれかかってくれるのは嬉しいけど、あんなに楽しみにしていたのに映画観なくていいのかなぁ。

こんなことになってしまったのは、ヒロさんの不摂生…ではなく、100パーセント俺の所為だ。

それは5日前の出来事…
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