純情エゴイスト〜のわヒロ編2〜
□野分のハッピーハロウィン
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お風呂でヒロさんの背中を流しながら、ヒロさんの顔色を覗う。
完全に俺のペースに乗せられたのが癪にさわったようで、不満そうにムスッとしている。
「ヒロさん、いい加減に機嫌直してください。」
ヒロさんの下半身に手を伸ばす…
「っつ///お前、どこ触ってんだ!」
殴られそうになってすっと避けるとヒロさんはまたムスッとして俯いてしまった。
「ごめんなさい。調子にのってやりすぎました。俺もヒロさんもお菓子をあげていないから二人分悪戯しないと…って思ってはりきっちゃったんです。」
「天使の衣装着るだけでも恥ずかしかったのに、着たままヤルとか…」
「だって、スカートってそのためにああいう作りになってるんじゃないんですか?」
「違うだろっ!この変態!!」
「うっ…」
ヒロさんの肘が思い切りお腹に食い込んで一瞬身体がくの字型に曲がった。これはキツイです…
「俺が疲れきって抵抗できないのをいいことに、楽しそうに服脱がすし、風呂にまで一緒に入ってくるし…」
「でも、ヒロさん嫌だって言わなかったじゃないですか♪」
「それは…」
「俺にこういうことされるの嫌じゃないんですよね?」
「おい!だから、そんなとこ触るなって…」
「身体は正直ですね♪」
「お前、やっぱ性格悪くなってねーか?」
「気のせいですよ。今夜はハロウィンだから、俺に悪魔が取り憑いちゃったみたいです。悪魔は天使を襲うんですよ♪」
「王子じゃなかったのかよ…それに、悪魔は天使の敵じゃねーのか。」
「細かいことは気にしないでください。」
悪戯っぽく笑う俺に、ヒロさんははーっと深い溜息をついた。
ごめんなさい。今夜のヒロさんは可愛すぎて、つい意地悪をしたくなっちゃうんです。
後ろからギュッと抱きしめると、ヒロさんは俯いたまま呟いた。
「しょうがねーな…お前が悪魔なら俺も堕天使になって一緒に堕ちてやるよ…」
「ヒロさん///」
シャワーのお湯を止めて、ヒロさんを抱きあげた。バスタブに身を沈めながら、ヒロさんと口づけを交わす…
今夜はハロウィン…人と魔物が交差する特別な夜。