短編
□寝かす方法もそりゃたくさんあります
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ネス『どうしよう…眠れない…』
夜の11時を過ぎた頃。いつもなら深い眠りに就いている時刻の筈のネス。しかし今日はまだ起きていた。
ネス『明日の乱闘がリュカと同じチームで楽しみだからって眠れないなんて…修学旅行前日じゃあるまいし…』
そう言うもの、今のネスは翌日の乱闘が楽しみでしょうがなく眠れないのだ。
ネス『でもしっかり眠らないと明日に響いちゃうし、リュカにも迷惑が掛かっちゃう。誰か…起きてる人にどうやったら眠れるか聞いてみよう!!』
ネスは思い立ったらすぐ行動!!と言って早速部屋から出た。
ネス『でももう11時だし、みんな寝てるかも…』
そう言いながらも廊下を歩いていく。
さすがに夜遅いだけあって辺りは静かだった。
ネス『やっぱり同じ館内でも昼と夜では雰囲気が違うんだなぁ。』
歩きながら改めて館内をまじまじと見るネス。
するとある部屋から光が洩れているのが見えた。
ネスは扉前まで歩く。
ネス(この部屋は確か…レッドの部屋…)
ポケトレこと、レッドの部屋の前で止まるネス。
ネス(レッドって案外大人な考え持ってるし…聞いて損はないはず。)
ネスは扉を数回ノックした。
数秒で目の前の扉が開かれた。
レッド『あれ、ネスじゃないか。こんな時間にどうしたの??』
突然の珍しい来客に驚くレッド。
ネスも多少驚いていた。いつも来ている服ではなくパジャマ姿であること(寝る時間なので当たり前だが)と、首にタオルをかけ、髪が少し濡れており、微かに石鹸の香りが鼻についた。
ネス『ひょっとしてお風呂に入ってた??』
レッド『あぁ、でも丁度上がったから問題ないよ。』
とりあえず入ったら??
そう言ってネスを部屋に入れる。
レッド『今飲み物持ってくるから適当に座ってて。』
そう言われたが、部屋の中央で足が止まる。
不意に周りを見ると、整理された部屋。机やベッドにはポケモンの人形。
本棚にはポケモンに関しての図鑑が大量にあり、壁には友達、家族の写真がいくつか貼ってあった。
その中には亜空の使者の時にリュカと撮った写真もあった。
二人ともボロボロになっていたが、そこに写る二人の笑顔はとても真っ直ぐで綺麗だった。
ネス『………………』
ネスは胸が締め付けられる思いだった。
レッド『お待たせネス。』
レッドは両手にジュースを持ち、ネスの元へ戻ってきた。
ネス『結構部屋綺麗なんだね。』
レッド『はは。あまりじろじろ見られても困るけどね。』
ネスにジュースを渡しながら苦笑いするレッド。
そしてレッドはベッドに、ネスは机に備え付けてある椅子に腰を下ろした。
互いにジュースを一口飲み、本題に入る。
レッド『で??こんな時間にどうしたの??』