短編

□自分の影なんだから動きが同じなのは当たり前
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※DXメンバーしか出てきません






あの日はそう…台風に近いような、大雨が降っていた。

雨の音が静かに響くスマブラ館。
時間はちょうど丑三つ時。




マリオ『ルイージ!?どこだ、ルイージ!!』

真夜中にも関わらず大声で最愛の弟を呼ぶマリオがいた。
額には大量の汗。懸命に探したのは一目瞭然であった。

マリオの後方から誰かの足音が聞こえる。

フォックス『マリオ、ルイージは…!?』

そこに現れたのは、マリオと同じくルイージを探していたフォックスだった。

俯くマリオの様子からまだ見つかっていないことは一目で分かった。

フォックス『まさか…この雨の中外へ…??』

フォックスはすぐ隣にあった窓から外を見た。

マリオ『そんなバカな…!!今は台風が目の前にいるんだぞ!!マスターだって館から出るなって…』

ルイージが見つからないことによるヒステリックからマリオは頭を抱え、大声を出す。

フォックス『とにかく食堂に戻ろう。マリオも休んだ方がいい…』

マリオ『ルイージ…』

フォックスはマリオの肩を支えながら食堂へと戻って行った。




フォックスが食堂の扉を開く。中にはDXのメンバーがいた。
そして、テーブルに項垂れるピカチュウの姿が。

ピーチ『マリオ、ルイージは…??』

マリオ達に気付いたピーチがソッと話しかける。

マリオ『………………』

ピーチ『そぅ…』

フォックス同様、マリオの表情で見つかっていないことがすぐに分かった。

フォックス『その様子だと、ピチューもやっぱり…』

フォックスがピーチに話し掛ける。

ピカチュウ『ハハ…匂いでもピチューの居場所が分からないなんて、兄失格だよな…』

しかしピカチュウにも聞こえていたらしく、半笑いで答えていた。

『『『…………………』』』

全員何も言えなかった。




今、このスマブラ館から突如、ルイージとピチューの姿が消えてしまったのだ。
台風も近付いており、マスターハンドは台風が通過するまでは外出禁止令を出していたほどである。
空気が読めるほど真面目なルイージ。何でもピカチュウの言うことには素直に聞くピチュー。
この二人が館から出たとは考えにくかった。

では何処に行ったのだろうか??
誰も知る由もなかった。

静かな食堂には、激しい雨音と雷の音がよく響いた。

















『マリオ…話があるんだ…』

どれくらい時間が経っただろうか。
ある人物がマリオだけに聞こえるような声でポツリと呟いた。


マリオ『ネス…??』
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