短編
□双子と言っても性格は違うんだよ
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切っ掛けはあったようでなかったかもしれないが、結局はあったのだ。
リュカ『さて困ったな。こうなってしまった以上どうにかするしかないが…考えるのが面倒なのでこのままでも構わないか??』
腕を組み、溜め息混じりにネスを見るリュカ。しかし、いつものリュカとは様子が違く、まるでクラウスのような雰囲気を放っていた。
ネス『構うわけないでしょ!!絶対に原因突き止めて元に戻すよ!!』
普段、リュカに向かってそんな言い方は絶対しないネス。
しかし今のリュカには言わないと気がすまなかった。
ネス『なんで入れ替わってるんだよぉ…』
そう、今のリュカにはクラウスの魂が。クラウスにはリュカの魂が入っており、要は双子が入れ替わってしまったのである。
クラウス(リュカ)『原因って言っても恐らくこのジュースが事の発端だと思います。』
そう言ってクラウス(リュカ)が不気味な色の液体が入ったペットボトルをネスに見せた。
ラベルには“気になるあの娘も君に釘付け。男らしい肉体を手に入れよう”と書いてあった。
ネス『こんなの嘘に決まってるじゃん!?クラウスはともかく、どうしてリュカまで飲んじゃうのさ!?』
リュカ(クラウス)『どういう意味だコラ。』
ネス『体がリュカでも心がリュカじゃなかったらキスも****も*****も出来ないじゃないかぁ!!同じ顔でもクラウスとなんて嫌!!』
リュカ(クラウス)『今入れ替わっててスゲー良かったって思うわ。ってか、本人達を目の前に伏せ字入るような単語言ってんじゃねぇよ!!』
ネス『リュカ、なんで飲んじゃったの??このいかにも怪しげなジュース…』
クラウスをスルーするネス。
クラウス(リュカ)『えっ…だってドクターが“ネスさんが僕に飲んでほしいって言ってた”って…』
ネス『あのオヤジ…ちょっと締めてくる。』
ネスはそう言うとドクターマリオのところへ御得意の釘バットを持って向かっていった。
クラウス(リュカ)『あ……(ドクターごめんなさい…)』
部屋を出たネスを見て、リュカは心の中で謝った。
リュカ(クラウス)『ねぇリュカ。せっかく入れ替わったんだからさ、誰かを驚かさない??』
ネスが行ったのを確認するとクラウスがとんでもないことを言い出した。
クラウス(リュカ)『えぇ、や…止めようよぉ…』
リュカ(クラウス)『良いから、行くよ。』
そう言うとクラウスはリュカの手を取って館内を歩き回った。