記念部屋

□何でもないしあわせ♪
1ページ/1ページ

もきゅもきゅ…もきゅ…


「十四郎、うまい?」


「ふん、ふふしい!(うん、おいしい!)」


「そっかぁ〜」

どうしようもなく甘々な空気を、正月から出しているリア充な二人はかぶき町では専ら、有名なカップルだ。



夜になって、比較的早く上がれた土方は、愛する銀時と共によく二人で訪れる定食屋に来ていた。


まぁ、メインはいつものどんぶり的なあれだが、それだけでは栄養が偏るとサラダなどを頼んで分けながら食べる。



「あーん」

「あー……うん、おいしいね」


……あまりにも甘い雰囲気の為、独り者には少々辛い。


土方と銀時はテーブルを挟んで、向かい合わせに座っているのだが、いっそ、“もうお前ら、隣同士で座れよ”という位、顔をくっつけている。



「二人でゆっくり過ごすのも久方ぶりだな。……十四郎、ほっぺ、ご飯粒」


「…ん、とって」


ペロリ。……店内で何人かが倒れた音がした。


「どっか、行きたいとこ…ある?」


リスのようにもきゅもきゅと、頬一杯にする十四郎の世話をしながら、そう問えば、


「……ふふずや(万事屋)」


と、かわいい答え。


「了解。食べたら帰ろうね」


頬を赤く染めながら、うんと頷く恋人に愛おしさを抱えながら、箸のスピードをあげる銀時だった。


*******


「ふ……ん、ふっ、銀……」


「はぁ…とおしろ……」


誰もいない万事屋に着いて直ぐ、寝室になだれ込み、何度か互いに果てた後。


対面座位のまま、ぎゅうと抱き合って月明かりだけが差し込む静かな、それでいて濃密な時間を共有する。


「銀……」


おもむろに、土方に耳元で囁かれ、ん?と目線を合わせれば。


「……今年も宜しくな」


と、とろんとした濃藍の瞳が赤紅を包む。


ああ、そうだった。


もう、付き合って何年だろうか。


時の糸を紡ぎ紡ぎ、ここまで来れたのも、十四郎が居たからだ。



ふくふくした白い頬に片手を添えて、


「……宜しくな」


胸に温かな、感触を抱き締めながら、熱々な恋人達は、夜を過ごした。



―――――――――――――――――


今回は少し短めで失礼します。


5900HIT記念、ありがとうございます。

お持ち帰りは終了させて頂きました。

皆様、ありがとうございました!

ここまでお読み下さり、ありがとうございますm(__)m

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ