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□Hey,prince!
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「ねぇ、すばる」

「んぁ?」

「私達ってさ、何で出会ったんだと思う?」

「……は?」

「いや、なんか…
あ、ちょ!そっぽ向くな!」

「なんやねん、意味わからん」











Hey,prince!














珍しくしっかり目、合わせてきやがってさ。
首傾けたまんま口開くから、

…あぁ、なんだこいつかわええな

なんて思ってたんだけどさ。



耳に聞こえてきたのは意味のわからん質問。





「ねー、答えてよー」

「知らん、わからん、」

「諦めちゃだめだ!」

「…神のみぞ知る!」

「…そーゆうんじゃない」





頭ん中の引き出し全部開けて引っ掻き回して答えたのに、聞いた本人は不貞腐れ。



「なーんやねん、何を求めてんねん」

「なんか聞いてみたくなったんですー」

「ちゃんと答えたやろ」

「……違うもん」

「何で出会ったかってそんなんお前なぁ…
……せや、花は何でやと思うん?」

「すばるに、出会いたかったから」


口尖らせたまま即答するお前、
本当に可愛くて。

何を言うてんねんって言いたかったけど
恥ずかしくて嬉しくて、
その言葉1回飲み込んだ。

そういう事か。


やっと、質問の意味がわかった気がした。




「せやなぁ、俺は…」

「っ、!うん、」




言いかけると、それまでそっぽ向いて機嫌悪そうだった顔はすっかり輝いた。

ほんま、わかりやすい。

だけど、そんなとこが好き。

本人の前では簡単に絶対言ったらんけど。





「俺は……っふ、」

「なに!何で笑うの!」

きらきらしてる顔、見てたら幸せになっちゃって思わず吹き出した。




「その顔、」

「んー!」


柔らかい頬を軽く引っ張って笑う。







「その顔、守るため。」







自分でもちょっと恥ずかしくなるくらいくさい台詞。
耳が熱くなるのを感じて顔を背けると、わぁぁ、って彼女の声。


「すばる、王子様みたいー!」

「…うっさいわ」

「かっこいー!」

「お前は…」


からかってんのかと思って振り向くと、
純粋に頬を染めて感動してる花。


「…満足か、」

「うんっ!」


大きく頷いてぎゅ、って抱きついてくる。
この温もり、一生離したくないって思いを込めて、強く強く抱きしめ返した。





「…王子様、か」

「ん?」

「なんもない」


白馬も王冠も、似合う気はせぇへんけど。
お前が姫君でいてくれるなら、
悪くないかもな。

……なんつって。
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