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□sunshine love
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君に連れられて、授業中。

誰よりも高いところで僕らは寝そべってぽつりぽつりと声を出す。


あったかくて、

横顔が綺麗で、


自分が高いところが苦手なことなんて、

家に帰ってから思い出したよ。










sunshine love











教室で交わすアイコンタクトが好きだった。

別に内緒にしてるわけでもないけれど、
僕はこの秘密を共有してる空気が好きだったから。


人気のない廊下で、僕らは無言の待ち合わせをする。



「花ちゃんどこ行くん、」

「屋上。」

「あと5分で始まるで?授業」

「ん。」


なんだかんだ言っても、
繋がれた右手が嬉しくてなすがままに階段を1段抜かしした。










「あったかいなー。もうすぐ秋なんになぁ。」

「ねぇまるちゃん」

「ん?なぁに、花ちゃん?」



「丸山って苗字なんかいいよね」

「そう?」

「うん、花も丸山がよかった」

「…じゃあ結婚する?」

「………ばか」



可愛いことを言う君に、ちょっとおどけて返すと真っ赤な頬。


なんだかもうほんとにくすぐったくて、
小さな猫じゃらしが僕の心の中でゆらゆら揺れてるみたいだ。




何か企んでる顔をして僕を覗き込む君の罠にまんまと引っかかって、


「まるちゃん授業行くの?」


「………行かへん」



小悪魔な唇をほんの一瞬だけ塞いだ。








「もお、さぼってばっかじゃあかんでー?」

「とか言って結局許しちゃうのはどこのだーれだ」

「………」

「はい論破!」


いつも君にはかなわない。

そんな風に笑われたら、
胸の上があったかくて痛くて、
勉強なんかできやしないんだよ。




少しだけ抵抗の意味も込めて強く後ろから抱きしめると、
お揃いのブレザーからお揃いの匂いがした気がした。



「まるちゃんたいようの匂いがする」



君がぽつりとつぶやく。

そうそれはきっと、
君の隣にいるから。




(1番近い反射光。)
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