執事シリーズ
□カイきゅんの執事B
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カイきゅんは、夢を見ていました。
夢の中のカイきゅんは、執事のようなスーツを着ています。
そして、見覚えのある部屋の前に立ち、ドアをノックして
「ギョンス様、失礼致します」
と言い、部屋に入ります。
真っ白なレースの天蓋付きベッドに眠っているのは、まだ幼さの残る顔のギョンス
「ギョンス様、起床の時間ですよ…」
と、声をかけ、カイきゅんはギョンスに、そっとキスをします。
「ん…カイ、おはよう…」
ギョンスは、まだ寝ぼけた状態ですが、カイきゅんは構わず抱っこして、バスルームに連れて行きます。
パジャマを脱がせて、自分は腕まくりをして、ボーっとしているギョンスにシャワーを掛け、まずはシャンプーから…
そしてボディーソープを泡立て、身体を優しく滑らせるように洗って…
再びシャワーを掛け、全身の泡を洗い流し、タオルで拭いてあげて、バスローブを着せます。
抱っこして寝室に戻り、学校の制服に着替えさせようとした時
「カイ〜、まだ時間あるから…ね?」
と、ギョンスがカイきゅんのネクタイを引っ張り、ベッドに雪崩れ込みます。
「ギョンス様、いけません!」
「いいでしょ?少しだけ…」
と言うが早いか、積極的にカイきゅんの唇を貪り始めました。
「ギョンス様…あっ…学校の、お時間が…」
「まだ、時間、あるよ、大丈夫」
舌で口内を掻き回され、舌を絡められ、カイきゅんはギョンスにされるがままで、体が動きません。
ギョンスがカイきゅんの下半身に手を伸ばしてきて、カチャカチャと器用にベルトを外してズボンを下ろされ、下着越しにカイきゅんの硬くなった部分を擦り上げて
「カイ〜、カイのこれ、ぼくにちょうだい?」
と言ってパンツを下ろすやいなや、ギョンスがカイきゅんの上に跨ってきました。
「ぅわ〜〜〜!」
と叫ぶと同時に、カイきゅんはガバッと飛び起きました。
「カイ様!?」
叫び声を聞いて、慌てて部屋に飛び込んできたギョンスの顔を見た途端、カイきゅんの顔は真っ赤になりました。
「カイ様、お顔が赤いですね。もしや、お熱が…?」
失礼します、と、ギョンスがカイきゅんのおでこに、自分のおでこをくっ付けてきました。
カイきゅんは、赤くなったまま、息もできずに固まってます。
「そんなに熱はなさそうですね…
でも、念のため体温計で測ってみましょう。」
と、体温計を取りに行くため、部屋を出て行きました。
「はぁ〜〜〜」
あんな夢を見てしまって、まともにギョンスの顔が見れないカイきゅんです。
そして、体も正直に反応してしまって、ベッドから出るに出られない状態です。
何故こんな夢を見たのか…
多分、昨日のセフナとの会話のせいかもしれない…
「ねえカイ、最近のタオ、ますます色っぽくなったと思わない?」
「んー?そう?」
「きっと毎晩クリスさんと…くそー、羨ましいなー」
「毎晩って?」
「…カイって…ほんと、そういうの疎いね
だからさー、愛し合っている2人が、一つ屋根の下に住んでいるんだから、そりゃーもう、そうなるでしょ」
「そうなるって?」
「マジかよ…本気で分からないの?
だからー、ヒソヒソ」
セフンに耳打ちされて、カイきゅんは真っ赤になりました。
「え、え、タオが?クリスさんと、そんな事してるの?」
「もう高校生だし…相手は婚約者なんだし、別に問題ないんじゃない?」
バレエ一筋で恋愛経験のないカイキュンにとっては、身近な友達が大人の階段をとっくに登ってしまったという事実は、物凄いショックです。
「まさか、セフナも経験済みとか?」
「……。」
あー良かった…
でも、好きな人と一つ屋根の下に暮らしていたら、そういう事したくなるものなのかな…
ぼく、大好きなギョンスと一緒に居るのに、そんなの考えたことも無かった…
考えたことも無かったのに、セフナのせいで、あれから時々考えるようになっちゃったじゃん!
それで、夢にまで…
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