anniversary plan

□平行線をたどる日々
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ピピピ…ピピピピ…
大嫌いな無機質な電子音。
いつもなら少しだって聞くのが嫌で、すぐに止めるのに。今日はどうだっていい。

昨日はフィンと一緒に帰らなかった。帰れなかった。目にこびりついたように、フィンと、顔を赤らめてはにかんだ嬉しそうな女の子の顔が、浮かんで消えてくれなかった。

なんで、今更気づくんだろう。こんな気持ちになるなら、気づきたくなかった。ただ、楽しく一緒に過ごせるだけで、よかったのに。

カーテンがかかったままの窓を眺めて、指先でわずかにカーテンに触れてみたけど。私は固まったまま動けなくて。
結局カーテンは閉めたまま、私は部屋を出た。
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