anniversary plan

□仕返し
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すっきりした顔で上機嫌のゴンと、少しだけほっぺたを赤くはらしたキルア。私はというと、ゴンの足の間に座らされて、うしろからすっぽり抱きしめられていた。

あれからたっぷり一時間経ってから、ちゃんとコンビニの袋をたずさえてキルアは帰ってきた。自分の部屋なのにご丁寧にノックをして、返事を聞いてからさらに十秒くらい経ってからドアを開けて、帰ってきた。最初ゴンはいつもとおんなじ笑顔でおかえり、とそう言ったのに、キルアがただいまと返した瞬間、キルアのほっぺにすさまじい右ストレートを入れた。キルアはもしかしたらよけれたのかもしれないけど、とにかくそのパンチは直撃した。

「キルア、あと二発だからな」
「ってー…」
「ゴン…っ、やめて!」

ゴンの腕にへばりついてお願いした私に、一瞬眉を寄せてゴンは不満をあらわにしたけど。私を抱き寄せてそれ以上キルアを責めるのはやめてくれた。キルアがコンビニで買ってきたくれたのはゴンの好きなお菓子で、それを三人で食べ始めれば、もうほとんどいつも通りだった。
そう、ほとんどは。



「マリア、こっちむいて?」
「ん?」

私が振り返るよりも早く、リップ音を鳴らしてキスを落としてくるゴン。急すぎてびっくりして、キルアが見てる前だということもあって、私はどもりながらもゴンにどうしたのと、やっと聞く程度のことしかできなかった。
向けられたのは悪戯な微笑みで、いつもと同じでまぶしいのに、でも意地悪な気持ちが込められているのが一目で分かった。

お菓子を食べてるときも、ゲームをしてるときも、何度もゴンはキスをしてきて。大好きだよ、そう言ってくれるのもすっごく嬉しいんだけど。

キルアが、見てるんだもん!!
ため息ついてるし!!

「…俺、なんかすげー邪魔っぽいよなー」
「えっ、そんなこと…」
「そうだよ!邪魔なんて思ってないよ、俺。だから、もっと俺たちのこと見て、俺がマリアのこと大好きだってこと、ちゃんと理解してね?」

キルア、ごめん…!私はゴンに敵わないんだって…!そんなうんざりした顔向けられても、私にはなんにもできないんだって!

「マリア」
「え…、な、なに?」
「ね、俺のこと好き?」
「えっ、ゴン…?」

ダークなゴンには誰も勝てなくて、結局私は大好きだよとゴンに何十回も言って、そしてゴンはその度にキルアに見せつけるようにキスをしてきて。最後にはキルアが、手をついて、俺が悪かったもう二度としないから許してくれとゴンにボソボソと言って、ようやくゴンは私を離してくれた。けど。そのあとキルアに、もし次やったらただじゃおかないよ?とダークな笑みを向けていて。
結局のところ私たちの影のボスはゴンなのだと、私とキルアは痛感した。
逆らえるわけがありません。
 

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