短編

□おしゃべりだけ
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プレゼント選ぶ回数が多すぎてもうなにも思い付かない、というかたぶんあらかたもうあげちゃったよ、なんにもあげるものないんだもん。

そうか、なにか作ってみるのはどうだ

そんなのとっくに実行済みだよ、付き合う前の誕生日に終わっちゃってるよ。もちろんとっても喜んでくれたしまた手作りでも喜んでくれると思うけど、なんかもう目新しいものがないんだもん。

なんだって喜ぶんだから別にいーじゃん

キルアってたぶんそういうところでフラれる人生歩むんだと思う

まあまあ、いいじゃねえか。どっか二人で出掛けてきたらどうだ?二人で過ごす時間って、大事だろ

いつも通りなかんじになっちゃうんじゃないかな

所々に特別感のある演出をしてみたらどうだ

と、特別感!?とくべつかん、とくべつ、写真取るとか?

だからなんだってへーきだって



というわけで、今日は二人きりで出掛けたいと思います!行き先は、海です!

え、え、なんで笑うの?ありきたりすぎた?これでも一生懸命考えたんだよ、ほんとに、ほんと、ねえ、聞いてる?

嬉しいから笑うの?バカにしてるんじゃなくて?そうだよね、ゴンは人をバカにしたりなんかしないもんね、え?たまにはする?私にも?そういえばたまにこども扱いすることあるよね、まったく

ねえ、どうして海にしたと思う?うん、ふふ、ありがとう。え?だって、覚えててくれたのが嬉しいから。

わー、まだ時期じゃないから、あんまり人いないね。でも綺麗。うん、あ、そうそう、簡単なのだけど、食べるもの持ってきたよ。ふふ、どういたしまして!

ああ!もう、どうして私が食べてるの横から食べちゃうの?ええ?私が食べてるのが美味しそうに見えるの?おんなじだよ?困ってる顔が好き?ゴンって、たまにそういうとこあるよね。え、好きだけど

ねえ、ほんとはね、もっと特別なことしようかなって思ったりもしたんだよ。すっごい頑張っておいしいごはん作ったりそのあとプレゼント渡して、って、なんだかありきたりだけど、そういうの。

うん、私も。ただ一緒にいられる時間をゆっくり過ごすのって、贅沢かもしれないなって。

そろそろ夕焼けだよ。なんだかあっという間だね、ゴンと一緒にいる時間はいつもあっという間に過ぎちゃってなんだか寂しい。

初めて見たとき、びっくりしたよね。なんだろうね、地形とか気候とか、そういうのなのかな?あ、人が集まってきてる。やっぱり有名なんだね。

うう、だって、特別なことって難しいんだもん。え?うん、すごいよね、夕陽がハート形みたいに見えるなんて、なかなかないよね。

調べたの?蜃気楼?え、蜃気楼って、そんなしょっちゅう見れるものなの?そうだよね、えっ、じゃあ、たまたま見れたの?ゴンすごい!ゴンの誕生日、太陽も蜃気楼もお祝いしてるんだよ!

なんで笑うのお、ほんとにそう思ったのに。かわいくなんかないもん。かわいい子は、ふふふとか笑うんだよ、きっと。う、うん、ありがとう。

あのね、ゴン、その、あのね、ええと

好きだよ、ずっと、ずっと



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