彼のセリフシリーズ

□俺としたことが……頼む忘れてくれ
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ギシリ、と、ベッドが一度だけ音をたてた。口付けたまま、クラピカが体を反転させて私の上にのってきて、ゆるく唇に舌が這わされた。隣にゴンもレオリオもいるのに、驚いたけど自分から口を開けてしまったのは、クラピカのせいにはできなかった。好きな気持ちが大きすぎるのが、いけない。
シーツに繋ぎ止めるように手を繋がれて、片方は手首を押さえつけられて、普段のクラピカからは想像もつかない強引さに余計気持ちが高ぶった。
舌が絡められて、声が出そうになって、でもそんなこととてもできないから息もできなくて気持ちいいのと苦しいのとを我慢した。うわあごに舌が這わされて体が跳ねても我慢した。けど、さすがに酸素が足りなくて苦しくてくらくらして、そこに急に舌を吸われたとき、声が漏れてしまった。ほんの少し、わずかだけど。それに即座に反応してクラピカが顔をあげて、私を見て、なぜかびっくりしてるようだった。そして呟くように、すまない、と消え入りそうな声で言って、隣に横になってしまった。

「俺としたことが………頼む忘れてくれ」
「………それは、ちょっと…無理かも…」

大好きな人からのこんなキスを、忘れられるわけないもん。それに、またひとつ、クラピカの知らなかった一面を見れたから。その日はそのまま、衝動的にされた熱いキスの余韻に、ただただ浸った。お互いに顔も見ることができなかったけど。

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