彼のセリフシリーズ

□義理は沢山もらったけど
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慣れた手つきで出されたコーヒーは、ヒソカが楽しそうに豆から挽いて入れてくれたからおいしいんだと思う。全然、味なんて、分からないけど。

一人暮し用だから、ソファはそれほど大きくはない。それでも二人で座るには十分なはずで、なのに、ヒソカがぴったりくっついてくるから。さりげなく手も重ねてくるし。なんかもう、何がなんだか、全然分からない。

「あの、ヒソカ…」
「うん」
「もしかして、私のこと好きなの?」
「……もしかして、付き合ってるって思ってるの、僕だけなのかな?」
「いや、ごめん…付き合ってるって、思ってるけど…だってヒソカ、今日すごかったから、チョコレート」
「んー…義理は沢山もらったけど」
「…義理なんかじゃないもん、絶対、全部」
「……へえ、意外だな。僕に興味あったんだね、○○」
「何言ってるの…?好きなんだから、当たり前だよ」
「そっか。僕のこと、好きなんだ」

もう一度、何言ってるのと聞こうとして、ヒソカは意地悪そうに笑った。だって○○から好きだって言われたことないからね、そう言って目を細めた。

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