彼のセリフシリーズ
□いいから俺と手、つなげよ
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順番待ちの列が半分ほどになったところで、私は飲み物を買いに行った。太陽はだいぶ高くまで昇ってきて、ほんの少し汗ばむくらいに暖かかった。
レオリオの意外な一面を知った私は、レオリオには悪いかもしれないけど嬉しかった。お互い初恋というのもそうだし、何より慣れてないのに私のために頑張ってくれるレオリオがすごく胸を叩いた。そして素直に話してくれたことも。
ぽかぽかの陽気の中、ぽかぽかした気持ちで戻った私に、レオリオは眉を寄せていて。どうしたのか聞いてみてもちっとも答えてくれない。
「何かやなことあったの?ねえ、レオリオ」
「気にするなって、どうでもいいことだからよ」
「よくないもん、レオリオのことなら何でも知りたいんだもん」
私を一瞥したあと、私の後ろをすごい顔でにらむレオリオ。
「レオリオ、本当にどうしたの?私がやなことしたなら直すから…」
「そうか、なら俺と手つなげ」
「…え?」
噛み合わない会話に困惑しているのは私だけのようで、レオリオは真面目な顔で私を見ていた。
「いいから俺と手、つなげよ」
大きな手につかまれた私の手は、とても小さく見えて。女の子と手をつなぐのとは全然違う。やわらかくてふわふわしてる女の子とは真逆でごつごつしてる感覚に、また真っ赤になってしまう。
「ど、どしたの…」
「嫌か?」
「ううん…嬉しい…」
「おまえは鈍いよな…もう少し気にしてくれよ。気がきじゃねえ」
「よく分かんないんだけど、何の話?」
「いや、もういい…」