彼のセリフシリーズ
□俺はあの約束楽しみにしてたけど?
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夕焼けの中、少し距離を取って私たちは歩いた。ゴミの向こうに、桜はまだ散り続けていた。
「約束の日より早く会えて嬉しかった。…長かったから、ただ待つだけの日々は」
クロロは、これからどうするんだろう。私たちはあの本の二人みたいになれるのかな。
不安定な足場をふらふらと歩いていたら、腕を引かれて抱き寄せられた。目の前のクロロの胸は広くて、腰に回された腕の強さにまた思わず泣きそうになる。
「俺はあの約束楽しみにしてたけど?」
漆黒の髪と瞳が、鮮やかな焼けるような赤にひどく映える。
「○○を手に入れられる日を、ずっと待ってた」
そっと瞼に、そして唇に落とされたキス。
もう二度と離れるなんて出来ない。それほどの中毒性を、クロロは私に与えた。
舞い上がる花びらを、私はつかまえた。